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写導戦隊カゲレンジャー5

『写導戦隊カゲレンジャー』5


・第五忍法「警察と影の里」


 ローチとの戦いの翌日、五人の下へ警察がやって来た。事情聴取との事らしい。無一郎は四人に「俺が全て話すから、お前達は何も喋るな」と言い、全員は警察に連行された。

 無一郎はあの巨大な化け物、最近起きている何件かの不可解な事件について警察に話した。しかし到底受け入れてもらえず、精神科の病院の入院を勧められた。それでも真実を話し続ける無一郎の所に、無一郎の門下生である修二がやって来た。

「修二」

「先生。本当なんですか?今の話」

「本当だ」

「有り得ませんよ……こんなファンタジー……」

「ファンタジーじゃない。現実だ」

「先生がこんな頭のおかしい団体の人だったなんて幻滅です」

「変な団体じゃない。影の里。忍びの里だ」

「本当にあるんですか?その影の里とか言うの」

「あるとも。一緒に行くか?」

「あるなら、ですけどね。地図のどこですか?」

「地図には載ってない。それに結界で分からないようにしてあるから空中からでも分からないようになっている」

「増々怪しいです。信じられません」

「兎に角だ。俺達をここに閉じ込めておくのは得策じゃない。君達ではアイツらには勝てない」

「我々には自衛隊という組織があります。それで十分でしょう?」

「じゃああの時、あの巨大な怪物が現れた時、何故自衛隊は来なかった?何故戦車が来なかった?何故戦闘機が出動しなかった?」

「それは……」

「つまりはそういう事だ。これは我々の責務なんだ。邪魔しないでくれ」

「先生……!」

 そう話していると、隣の部屋から大騒ぎの声が聞こえてきた。

「止めろ!」

「何をする!?」

「こうすれば分かるだろって言ってんだよ!シャドウ変化!」

 どうやら腕太郎が変身して証明しようとしていたらしい。

「あの馬鹿……ちょっと隣の部屋に行って良いか?」

「あ、私の立会いの下でなら……」

「すまない。ウチの若いモンが」

 二人は腕太郎の部屋に向かった。

「あれ?変身出来ない?あれ?シャドウ変化!シャドウ変化!」

「無駄だぞ」

「あ!無一郎のオッチャン!」

「何も喋るなと言っただろう?」

「だってコイツら、一方的にオッチャンや兄ちゃん達の事を悪く言うんだもん!頭に来てさぁ!」

「馬鹿モン!お前は自分の今置かれてる立場が分かってない!」

 ガミガミと叱られ、ションボリする腕太郎を見て、警察は「少しは信じても良いか……?」と思うようになった。

「そもそもシャドウ変化は夜か奴らの作り出した暗闇でしか反応しないんだ。ここでやっても、ただ床をカゲマルで傷付ける事しか出来ないんだ」

「えぇ!?そうなの!?」

「そこは教えなかった俺が悪い。だが、約束を守らなかったお前も悪い」

「ごめんよ。オッチャン……」

 無一郎は警察に向き直り「夜まで待ってほしい」と言った。警察はそれを了承。一時的にカゲマルは警察が没収し、夜まで留置所で五人は過ごした。夜になり、自衛隊と警察上層部立ち合いの下、カゲマルを持ってきてもらい、五人は変身した。

「シャドウ変化!」

 変身した五人はそれぞれ忍法という名の武力を見せた。すると自衛隊と警察の上層部はこれを見て慌てた。翌朝、五人と警察、及び自衛隊はすぐに影の里に向かった。そこには独自の文化を持つ里があった。これを見て国が動いた。これは一般市民に任せてはいられないと判断した。しかし無一郎は言った。

「これは俺達の里の決まりだ。運命だ。責務だ。アンタ達のような一般人に任せたくない」

 そう言うと「一般人……?」と疑問符を浮かべる国の者達。しかし言った。

「なら君達を助けたい。少しでも力になれる事があれば何でも言ってほしい」

「そうだな……すぐに住民が避難出来るように施設の再配備と、異変を知らせる為の人員動員を増やす事、だな」

「分かった。じゃあこの書類にサインしてくれ」

「これは?」

「友好条約みたいなものだ。武力を使う事を許す代わりに、このテクノロジーを我々にも教えてもらいたい」

「……良いだろう」

 無一郎はサインした。

「じゃあ次は他国にこのテクノロジーを流さないという規約にサインを」

「分かった」

「次は世界でこのような事件が起こった時の各軍隊、自衛隊との協力を……」

「おいおい。一体何枚サインを書かせるんだ?」

「それだけ君達の戦力は脅威なのだよ。これでも半分は省略してるんだ。後は後日かいてもらう」

「今日だけで何枚書けばいいんだ?」

「ざっと百枚だな」

「チッ……分かったよ。但し、中身はじっくり読んでからサインの有無、そして闇光師団が現れた時はサインしていなくても出動を許可してもらう。これを守ってくれるならいくらでも留置所だろうが拘置所だろうが閉じ込めていて構わないし、監視してくれて構わない」

「良いでしょう。ではサインを……」

 暫く内容を一枚一枚確認してサインしていると、警報が鳴った。どうやら闇光師団が出現したらしい。

「……出動だ」

「待て。まだサインの途中だ」

「さっきも言っただろう?闇光師団が現れた時はサインをしていなくても出動を許可してもらうと」

「……分かった。必ず、帰って来てくれ」

「約束する」

 五人は出動した。とあるコンサートホールの屋上は闇に包まれ、蛾の化け物が指揮棒を振っていた。

「はぁーはっはっはっはぁ!燃えろ燃えろぉ!人間達の叫び声が、我が主の為の最高の楽曲になるのだぁ!」

「闇光師団!」

「貴様らは、カゲレンジャー!?」

「人々を惑わす悪鬼妖魔!我々が成敗致す!」

「このスーモ様に勝てるかな!?」

「皆!変身だ!」

 一同は「応っ!」と答え、カゲマルを地面に刺してライトアップした。

「シャドウ変化!」

 五人は変身した。

「カゲグリーン!タートル!」

「カゲレッド!キャンサー!」

「カゲピンク!バード!」

「カゲイエロー!フォックス!」

「カゲブルー!ドッグ!」

「写し、導く……ライトアップ!」

 再びライトが五人を包んだ。

「写導戦隊!カゲレンジャー!推参!」

「来い!カゲレンジャー!」

「出陣!」

 五人は戦った。しかし爆音波で近付けず、ピンクのアローとイエローのウィップでしか攻撃が届かずにいた。しかも向こうは回復力が異常で、いくら攻撃してもすぐに元に戻ってしまう事態になってしまっていた。これは長丁場になる。そう思った時、五人の後ろから「ドンッ!」という音が聞こえてきて、スーモが吹き飛んだ。振り返ると、そこには自衛隊の戦車が一台唸りを上げていた。

「あれは、自衛隊の戦車!?」

「国が動いてくれたんだ!」

「大丈夫ですか!?カゲレンジャー!」

「あぁ!助かる!行くぜ皆ぁ!」

 自衛隊のサポートもあり、スーモは倒れた。しかしスーモは「このまままた封印されてたまるかぁ!」と起き上がり、怒りを爆発させて巨大化した。

「カラクリメカを使おう!」

「応っ!」

五人は「カラクリメカ、出動!」と言い、カラクリメカを出現させた。カラクリメカで敵に向かって行ったが、やはり近距離攻撃は許されなかった。

「カゲメカ・ファイブバーストを使おう!」

「いや、待て!」

「何でですか!?」

「あれはメカのエネルギーが著しく減るんだ!そう何発も打てない!」

「じゃあどうすれば!?」

 するとそこへ突如爆撃が起こった。

「あれは、自衛隊の戦闘機!?」

「成程。本当に力になってくれるんだな!」

「敵が怯んだ!今の内だ!」

「行くぜ皆ぁ!カゲメカ・ファイブバースト!」

 カゲメカ・ファイブバーストが直撃し、スーモは爆発し、小さくなって地面に落ちた。グリーンは封印の石を取り出し、スーモを封印した。

 後日、無一郎は警察に泊まり込み、何日も続けて友好条約やら規約やらにサインし続けた。

「これもっと簡略化出来ないのか?」

「役所のする事ですからな」

「チッ……だからヒッソリとアパートで暮らしてたのに……」

「まぁこれもビジネスですよ。ウィンウィンの関係になって良いじゃありませんか?」

「……まぁ実際助けられたしな。分かった。書くよ」

 そうして無一郎は約二百枚の書類にサインしたのだった。

 一方で地下ではいつものようにオドゥン・クリムジャが鼠を使って何かの探索行動をさせていた。


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