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90, 音楽響く街角で。

「お二人さぁん!!」


演奏が終わり、人混みを避けるようにアルトがハーディ達に近付いた。


「こんにちわぁ!!まさかこんなところでハーディちゃんとシャルルさんと出会えるとは思いませんでしたぁよ!!いつも魔力紡ぎの糸工房をご利用いただきありがとうございます!!」


彼はそう言うとシャルルの方を向き、胸の前に手を当てて軽くお辞儀をした。


「魔力紡ぎのって、俺等に魔法陣卸している工房?」

「はい!!」

「え?お知り合いなんですか?」

「えぇ。私達の工房はご先祖様、設立初期の魔法騎士団の団員が怪我で脱退した後に作った工房なのでぇ。魔法騎士団により良い商品を卸すための過程で沢山の副産物を得てますがぁね⋯。」

「ところで、さっき一緒に演奏していた人は?」

「ところで?!」


(そんなにあっさり流す話題ではなかったような気がしますけど⋯。)


だが、そちらの方も気になるハーディは黙っておく。今のお話の続きは聞けそうなときに聞こう。そう決意して。


「あの人は吟遊詩人さんみたいでぇすねぇ。」

「随分と幼い印象だったのですが。」

「今年で12才だそうですよ?何でも、9才くらいから山脈から西の国々を旅しているらしくて。」

「へぇ~。すごいですね~!!」

「ほめてくれてうれしいよ。」

「うわっ!?」


ハーディが後ろを振り向けば、特徴的な仮面⋯⋯、不思議な楽器を演奏していた少女がそこに居た。


「そこの兄ちゃんめっちゃ演奏上手だったから驚いちゃった。」

「光栄ですぅ。」

「話し方が独特なのも最高だね!!」

「間延びしたり語尾が延びるのは家族全員の癖でしてぇ。治らないんですよねぇ〜。」

「直さなくて良いさ。」

「12歳なのにすごく堂々とできてて、あなたはすごいですね~。」

「ありがとうお姉さん。嬉しい。」

「あの楽器、この辺では見たことのない物でしたけど⋯⋯。」

「楽器はピュシュカっていう民族楽器なんだ。私達の部族しか使ってないよ。」

「へぇ~!!」

「さっき聞かせてもらったんですけど、金属の弦が奏でる音がとても綺麗なんですよぉ。」

「この楽器はね⋯⋯⋯」


そのまましばらく四人で雑談した後、ハーディとシャルルはほかの場所を巡るためにその場を離れた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

最近更新が不定期気味ですみません。

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