表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/141

87, 祭り讃える。

「うわぁ!!」


ハーディは窓を開けて感嘆の声をもらした。薄紫色の霧に包まれた空。それは、きっとこれから濃く、濃く街を覆うのだろう。


「祭り日です!!」


ハーディは手早く着替えるとお店の前に小さめの荷車を用意した。


「今回はどのくらいの期間になるんでしょう!!」


○△○


「祭り日。」

「それは、世界のお祭り。」

「種族の関係ない、万物の祭り。」

「紫色の魔力の霧が大地を包み、すべてを癒す。」

「紫色の魔力の霧が、敵も味方も曖昧にする。」

「さぁ、みんなで肩を組もう。」

「今日だけは、みんな仲間になろう。」

「さぁ、みんなで酒を酌み交わそう。」

「今日だけは、ちょっと贅沢しちゃおう」

「でも⋯⋯⋯」

「これだけは守ってね。」


「「今日だけは、争いをしたらいけないよ」」


「何故なら、紫色の霧に紛れて、存在ごと消されちゃうから。」

「濃霧に紛れて、何処かへ連れ去られちゃうから。」


⋯⋯⋯


○△○


「皆さん演技がお上手で⋯。」


ハーディは簡易の舞台の上で劇を披露し終わり、お辞儀をする子どもたちに拍手を送った。今彼女たちがしていたのは、祭り日を讃えるもの。全世界で唯一、改変なく共通する物語。土地事情丸無視の物語。


「この日、最初の1回だけのこれがいいんですよね。」


この公演は、2回目以降は無い。1年に1回だけの劇。もちろん場所を移動すれば見ることは出来るが、あまりそれをする人は居ないだろう。


「嬢ちゃん、ジュース1つくれ。」

「はーい。何味がいいですか?私はこの、祭りの雰囲気とマッチのブドウジュースがオススメです。」

「お!本当だ、紫。よし、これくれ。」

「はーい。中銅貨1枚ですね。」

「おう。」


公演を見終えた人がワラワラと広場の端のほうへ寄ってくる。


「ジュースいかがですか〜!!祭り日と同じ紫色。ブドウジュースありますよ〜!!」


こういうのは声を張り上げて自分の存在をアピールしなさいと果樹園老夫婦から習った。


「お、ハーディさんじゃん!!」

「あ、ヨハンさん!!」


訓練の時の軽装に帯剣し、両手に大量の串焼きを持っているヨハンがハーディに近付いた。


「早速商売してるっすね〜。」

「はい!!ヨハンさんはお休みですか?」

「いいえ〜そんなことは無いっす。たとえ祭りでも、霧に存在消されても、国は体裁的に争いに備えとかないとなんですよね〜。まぁ、少〜し内部事情言うと、軍部はサボりが黙認される日って感じっすよ。」

「そうなんですね⋯。」

「あ、ただ昨日、偶然副団長が団長に強制的に休み取らせてたから、団長は非番ですよ~。もしかしたら会えるかもですね。」

「会えたらうれしいですね。」


そしてしばらく雑談し、ついでにブドウジュースを購入し、ヨハンは去っていった。



○△○       オマケ        ○△○


「ハーディ、居る?」


その頃、シャルルは居座り亭の扉を叩いていた。


「⋯⋯。」


叩いていた。


「もしかして、出かけてる?」


シャルルがハーディと出会えるまであと30分。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ