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85, 何か違う気がする。

「ど、どうじょ⋯⋯、お待たせしまひた。ジュースれす。」

「⋯⋯ありがとう。」


シャルルはジュースを受け取ると、一口飲む。


「⋯⋯⋯でさ。」


そして口を開いた。


「なんでハーディ、ずっとイヴさんの後ろに隠れてるの?」


シャルルはイヴの後ろ、ハーディを見た。視線が合ったと気づくとハーディは更にイヴの後ろに隠れる。フードの男とそれから逃げる(?)背の小さな女、そしてその間に立たされる女。端から見たら、かなり奇妙な構図だ。


「な、なんでれしょー?!」

「そしてずっとかみ続けてる。」

「すみません⋯。」

「黒薔薇の騎士様、今度は一体この子に何したの?」

「何も⋯⋯多分。」

「イヴちゃん?!シャルルさん何もしてない!!」


(私のせいでシャルルさんがあらぬ誤解を招いてしまってます!?)


ハーディはこのままでは駄目だと一人頭を抱えた。


(なんでシャルルさんを見てドギマギしてしまうんでしょう?!お客様に対して失礼な⋯⋯。)


と、思いかけて蘇るのはこの前の記憶。


『偉いね。』


_______頭を撫でる、優しい手。


「ギャーー!?」

「え、本当に何?」

「ハーディ?」

「すみません⋯。本当に、今はダメなんです⋯⋯。」


(マズイです。なんでこんなにシャルルさんに対して緊張してしまうんでしょう。)


ハーディはイヴの背中にグリグリと頭をこすりつけた。壁に頭を叩きつけたいが、それをしたら怪我してイヴに怒られてしまうし何より間近に壁が無い。


「⋯⋯⋯お気になさらず。」

「いや、無理でしょ。」

「ですよね~」


ハーディは必死に考えた。何か色々、とにかく考えた。そして、何度か、ハーディと同じような奇行をしている人たちに見覚えがあったことに気付く。


(魔法騎士団の人たちのファンさんも、確か同じようなことをしていたような⋯⋯。)


そして、気付いた気がした。実際はこじつけただけだが、ハーディはそれが正解な気がした。


「私、本格的にシャルルさんのファンになれた気がします!!」

「いや、よくわからんけど違うと思うよ、ハーディ。」


イヴに何故か頭を撫でられた。とにかく嬉しい。


「⋯⋯ファンねぇ。」


シャルルはそう言うと無言でジュースの残りを飲み干した。


「おかわり。」

「はい!!」


(これがファンですか!!原因がわかって良かったです!!)


嬉々としてジュースの準備に向かうハーディを、シャルルは何を考えているのか分からない顔で見つめていた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。 

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