68, 幼児化シャルル
「シャルルさーん!!」
「団長ー!!」
「「⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」」
いつまで経っても反応のない扉に、2人は『だめかぁ~』と肩を落とした。
「居ないんですかねぇ。」
「おーい!!シャルル団長!!」
「シャルルさーん!!⋯、使えるか分からないけど⋯。」
ハーディは鞄の中に忍ばせていたとある物を手に取った。
(シャルルさんが1番気に入っていると思われるジュース⋯。)
「オレンジジュースありますよ!!」
「⋯⋯、ジュース?」
扉がカラカラと音を立てて開いていく。そこから現れた子供に、ヨハンとハーディは目を瞬かせた。
「あ、えっと⋯、団長の、弟さんですか?」
「⋯。」
「えっと、私たち、シャルルさんに用事があって来たの。」
10歳くらいなのだろうか。身長はハーディと同じくらいの男の子。髪の色は綺麗な銀髪で、でも、毛先の方に向かってどんどん淀んで黒くなっている。
(シャルルさんにそっくり。)
彼と違うところと言えば、髪色と、身長ぐらいだろう。警戒を滲ませながら身体の大きさに合っていないブカブカな服を握りしめると彼は、こう言った。
「シャルルは、俺ですけど⋯。」
静寂が広がった。
「「⋯。」」
「何か。」
「え、本当に団長?」
「団長って?」
「シャ、シャルルさん?」
「はい。」
(髪の色はとか、身長どうしましたとか、聞きたいことが尽きないです⋯。)
銀髪のシャルルが、黒髪のシャルルで、黒髪のシャルルは今日なぜか仕事に来て無くて、それで家に来たら銀髪のシャルルが居て、黒髪のシャルルはいなくて?
ハーディは堪えきれずに少年に抱きついた。
「「⋯え?」」
「ごめんなさい。最高に可愛いです!!髪の毛の色きれいですね!!身長が私と同じくらいなのすごく嬉しいです!!え、あなた何歳ですか?うわぁ、お肌モチモチだ!!イヴちゃん羨ましがるだろうなぁ。でも、特に、本当に髪がキレイ。グラデーションがすごいです。黒の具合も、夜空みたい。キレイです。」
「⋯。」
ハーディは混乱を極めた末に、取り敢えず現状を楽しむ(?)選択をした。錯乱したとも言える。
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