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51, 家の勤め

「私はね、代々の家の勤めで、王宮の補佐の仕事をしているの。王宮では表向きにはあまり調査できないものとか、そういうのを調べたり。あ、普段は精霊や悪魔とか、そういう超越種?みたいなのの学者なんだけどね。」


イヴは髪を掻きながら話を始めた。目を彷徨わせては話し始めるその姿は、本当に何を話すべきかを彼女が迷って居るのだと伝えてくる。


「私の父が生きていた頃、13年前。ハーディは一人の兵士によって保護された。カルト教団『純白の月』の聖女として祀り上げられて、ボロボロになってたところを、偶然一掃作戦で兵士たちが拠点に突入して、助けられた。彼女に勉学を教え、友人として監視するのが、私の役目だったの。」


(最初は、何をしたら良いのか分からなかった。)


監視という役目を持ちながら、友として接する。その感覚が分からなくて、結局どちらも上手くできなくて。


『イヴちゃん。』


私を見かける度に走り寄ってくるその姿に絆された。

私を友として純粋に信頼してくれる彼女の無償の好意に、応えたいと思った。


年齢と精神年齢のかみ合わない彼女を教え導くのは、正直簡単じゃなかった。

指示しなければ何もできない。人を疑うことを知らないから、怪しい人にも直ぐについて行く。

お金の概念も、何もかもを教えてもらえなかった、可哀想な子。


『見て。お使いに行ってきたの!!』


ハーディがまるで自分の子供みたいに大切に思えた。

何かを知ることが大好きな子になってくれた。ジュース屋さんを開くという夢は、初めて彼女が自分から何かをしたいと教えてくれたもので。


「あとは、ハーディに危険が迫ったら守ることも仕事に含まれていた。まぁ、純白の月が一掃されたんだから、危険なんて無い。13年も経ったんだから、そんなことを思って、油断してた。」


純白の月は、見つけやすい。

信者は全員白い衣を纏うから。違和感がすごすぎて、自然と周囲から浮く。


「さっき、純白の月の信者が来たの。ハーディを迎えに来たって。そこからは、見ての通り。」

「⋯。」

「守れなかった。」

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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