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45, いつもの調子を取り戻しましょう。

「ごめんなさい、アメリアさん。私のせいで、あなたまで鞭打ちをされてしまって。」

「いえ。⋯月の聖女様は何も悪くありません。」


あの後、こってり叱られた私たちは、修道女の目には反省していないように見えたらしく(実際私はしていなかった)、鞭打ちをされてしまった。ハーディはフラフラと起き上がると、横で寝そべっていたアメリアを起こす。二人とも最初は白かった服を着ていたのだが、今では血の色で所々変色してしまった。いい生地なのに実に勿体ない。


「聖女様〜、聖女様〜って崇めてるのに、平気な顔して鞭打ってくるんだから怖いですよね。」

「確かに⋯。」

「貴女はこの教団に入って長いんですか?」

「3年目です。」

「そうなんですね。」


(本当に、何で入団したんだろう。)


ハーディは鞭打ちされたときのアメリアの様子を思い出す。他の修道女なら泣き叫んで規律を破ったことを謝罪を繰り返す鞭打ちの刑を、彼女はひたすら黙って受けていた。


(最近の信者が全員こんな感じ⋯ってわけでもなさそうだし⋯。)


「⋯ふふふっ。」

「?アメリアさん?」

「いえ、すみません。月の聖女様って、大切に大切にされているから、てっきり、赤子よりも弱々しいのかなとか不躾にも思ってしまっていたのですが⋯。何でそんなにケロッとしてるんです?この刑、先輩修道女でも泣き叫んでたのに。」

「私の図太さと能天気さは素晴らしいですよ。あなたよりは上だと思います。」

「そうなんですね⋯、わかりました。なら、あえて私に大切にされる必要はありませんね。」

「えぇ。」


アメリアはしばらく笑っていたが、落ち着いたのか、(笑い)涙で濡れた目をこすり、立ち上がった。


「お見苦しいものをお見せしました。」

「いいえ。私は人の笑顔は大好きですよ~。」

「そうですか。」

「ねぇ、アメリアさん。良かったらまた、()()しませんか?」


今の鞭打ちの時間で、アメリアにも何か伝わったものがあっただろう。だから、笑ってくれた。(そう思いたい⋯。)


(私の直感を信じれば、この人は本気で信者になっている訳ではないでしょう。)


「⋯。わかりました。()()、お話しましょうね。月の聖女様。また鞭打ちをされるかもしれませんが。」

「ひぇ、アメリアさんも案外図太いですね?」

「えぇ。」


(似た者同士ってところかな?)


これで彼女が根っからの信者だったらと考えたら恐ろしいが、そのときは、私の直感がバカだったってことだろう。


(ひとまず、1人目のお仲間ですね。)


私は、絶対に居座り亭に帰ってみせる。


(まぁ、そもそもこっちに来たのも私ですけど。)

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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