41, 逃げる!!
「さぁ、帰りましょう?」
女性はハーディに手を差し伸べた。断られることは無いと確信しているように。
「⋯し」
「?」
「知らないです。月の聖女様なんて。人違いではないですか?」
(嘘をついてしまった!!こんなわかりやすいもので通用するの?!)
「元気になられたようで安心しました。では、私はこれで。」
「⋯。」
ハーディは呆然と自分を見上げる女性に一礼し、走ってその場を去った。
(何で、あの組織の関係者がここに居るの?10年以上前に軍部の人たちに捕まったはずなのに。)
ずっとハーディを探していたと言った。なら、捕まえられなかった仲間が居たのだろうか。そして、また仲間を増やしたのだろうか。
(まだ諦められてなかった。やだ、怖い。)
ハーディは追われてないことを確認すると、だんだんと歩くのを止めて立ち止まる。
「あ〜れ!ハーディさんじゃないっすか。こんにちは。」
「⋯ヨハンさん?」
「そうっすよ。」
前の方から走ってきたのはヨハンとハヴィゼだった。
「何かありました?顔色が悪いですよ?」
「あはは、少し体調が悪くて⋯。」
「マジっすか!?大丈夫っすか?医者探してきます?」
「いえいえ、そこまでじゃないので!!」
(本物のヨハンさんとハヴィゼさんだ⋯。)
ハーディは知り合いの登場に少しホッとして肩の力を抜いた。
「「⋯。」」
「では、これで失礼しますね。あっ、しばらくお店をお休みするかもしれません。魔法騎士団の皆さんにも伝えておいてもらえますか?」
「え?」
「そんなに体調が悪いんですか?」
「いえ。」
(流石にこの人達を巻き込めないしな⋯⋯。)
きっとあの人たちは私を追い続けるだろう。直ぐに店もバレてしまう。
「では、私はこれで。」
「「⋯。」」
ハーディは2人に挨拶するとまた走ってその場を離れた。
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