21, 階段ってキツいですね⋯。
(とはいえ、シャルルさんの性格やその他の情報を整理すると、アソコよりもこっちの方が良さげだろうな。)
ハーディたちが向かったのは、王都の南端にある、旧時計台だった。
「ここって⋯。」
「3年前に新しい時計台ができてから、ここはほとんど人が来なくなっちゃったんです。」
「まぁ、そうですよね。」
蔦が絡みついて、所々にしか見えない、落ち着いた色のレンガ。見上見上げる度に感動する、この巨体建築物を作った当時の人々の技術の詰まった文字板。
(でも、何より重要なのは⋯。)
「この塔の一番上のところは、人も来ないし、この時間はちょうどいい暖かさ。猫ちゃんにとっては最高の場所なんです!!」
「なんでハーディさんって別地区の猫ちゃんスポットも知っているんだろう。」
「さぁ、行ってみましょう!!」
時計台の中は訪れる人は減ったけれど、それでも手入れは施されているのか、思ったよりもきれいだった。
(シャルルさんはあまり人が多い時間は店に来ないし、知らない人とかそういうのが苦手なんだろうな。)
コツン、カッ。2人分の足音が階段を木霊する。ハーディは黙って前を向いて階段を上り続けた。グルグルグルグル、どれだけの段数があったのか考えることさえやめた頃、目の前が突然開けた。
「着いた?」
「そうですね。」
眼前に広がる、巨大な円形の板。動くことをやめた歯車たち。ほこりをかぶらないようにシーツが掛けられた木箱に⋯。
「⋯いましたね。」
「うわ~、初めて見つけられた。」
そこには、どこから持ってきたのか、ふかふかなソファーの上でうつらうつらと船を漕ぐシャルルが居た。
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