17, 黒髪差別の現実
「じゃあ⋯、休憩入って良いぞ。」
「「はい!!」」
副団長が彼らに解散の指示をだすと、途端に見学していた人々が彼らに近付き出す。
「私、今日は家のシェフにチョコレート?なる甘味を作らせてみたの。西側の国々で流行りの甘味らしいわ。ぜひ食べてみないかしら?」
「ヨハン様〜こっち向いて!!」
「お疲れ様だねぇ。」
(訓練以上に大変そうだな⋯。)
彼らは全く動いていないはずなのに、1人、また1人と群衆に混じり消えていく。
(あれ?シャルルさんだけ周りに人がいない。)
「何で黒髪なんか⋯」
「黒髪?」
隣の女性がボソリとつぶやいた一言につい反応してしまい、ハーディは今更ながらに焦り始めた。
「あ、すみません、これは」
「さっきの団長見たでしょ?」
「え?えぇ、シャルルさんですよね?」
「あいつの名前言わないほうが良いわよ?」
「何で」
「だって、黒髪は不吉の象徴よ?」
彼女があっけらかんと言ったその一言に、ハーディは開いた口が塞がらなかった。
「何で黒髪なんかが団長になっているんでしょうね。」
「強いからじゃないんですか?」
「⋯、あんた、時と場合を考えなさいよ。今は知っていても知らないフリするとこでしょ。」
「私は、シャルルさんが好きなので。さっきの訓練だって彼に実力があることをよく示していますよね。」
「⋯、一気にダルい設定出してくるわねぇ。まさか黒髪の支持者にこんな話するとは思わなかった。」
「というか、人の悪口は邪を引き寄せるだけなのでやめたほうが良いんじゃないですか?」
「⋯。」
彼女は無言で去って行った。
「さて、私はシャルルさんを探しますか。」
「いや、もう居るからいいよ。」
「はぇ?どこに?」
「木の上。」
ハーディが上を向くとそこにはシャルルが居た。
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