2 ドラゴン
ドラゴンはエルフを恐れない。むしろ馬鹿にしている。交渉は決裂した。決戦のゴングは鳴らされた。詠唱はマリエール、マリアンヌ、マリアンネだ。
2 ドラゴン
ドラゴンの怒号と思ったが笑い声なのかも知れない。後からの会話から考えるとそう思う。
「巣に帰れだと。エルフのくせに生意気な。エルフは我の前にひれ伏すものだ。」
念話に嘲笑うような感じがあった。マリエールは、
「私達多分強いよ。引き下がるなら今の内よ。もしかしたら一撃であなたは死んでしまうかも知れないわ。」
ドラゴンは余裕で、
「そう言って死んでいったエルフを我は何人も知っているぞ。今なら見逃してやってもいいぞ。」
マリエールは、お返しで、
「そのままその言葉あなたに返すわ。」
ドラゴンは怒りを見せた。
「決裂だな。最初の一撃はお前達に譲ろう。2人一緒でも構わない。」
マリエールは、
「判ったわ。後悔しないでね。いくわよ。」
マリエールは右目に、マリアンヌは左目にそれぞれ貫通魔法を放った。2人としては渾身一滴の魔法だったが効果は僅かだった両目を微かに傷つけただけだ。それでもドラゴンの怒りに火をつけたようだ。ドラゴンブレスが返ってきた。2人は遥か彼方に飛ばされた。2人は何となく魔法の感が掴めた。マリエールは、
「マリアンヌ、あなたはドラゴンの背後に回って詠唱を唱えてドラゴンの後頭部を狙って。私は正面から攻撃するから。」
マリアンヌは顔を顰めて、
「詠唱なんて知らないわ。」
マリエールはさも得意気に、
「言葉なんて何でもいいのよ、魔法を込めて、マリエール、マリアンヌ、マリアンネ、と唱えればいいのよ。」
マリアンヌは疑わしげに、
「マリエール、マリアンヌ、マリアンネ、でいいのね。信じるわよ。」
マリエールは、
「それでいいわ。さぁ、手配通りいくわよ。」
2人はそれぞれ配置に着いた。先ずマリエールが魔法を放った。
「アイシクルランス」
ドラゴンの顔面にマリエールのアイシクルランスが突き刺ささる。僅かな傷がつく、ドラゴンはブレスを吐く、その時マリアンヌは詠唱を唱える。
「マリエール、マリアンヌ、マリアンネ、火と風と闇を加えた貫通魔法。」
ドラゴンはマリアンヌの方を振り向いた。貫通魔法はドラゴンの眉間を貫いた。ドラゴンは落下しかけた。マリアンヌはドラゴンを収納した。
マリエールは戻ってきて、
「言った通りだろう。」
マリアンヌは呆れた顔をして、
「そうかしら。」
とにかくドラゴンは討伐されてスタンビードも収まった。マリエールとマリアンヌは国の英雄だ。
冒険者ギルドに戻ると(2人の実感は行くとだが)冒険者達が歓声を上げ出迎えた。ギルド長室に案内されて、
「これから王宮に向かう。国の英雄、ドラゴンスレイヤーの誕生だ。」
マリエールとマリアンヌとギルド長は馬車に乗って王宮に向かった。ギルド長は王宮での段取りを2人に説明する。2人の役割は王宮の謁見室でドラゴンの魔石を国王の側近に渡して国王にドラゴン討伐の経緯を説明する事だと。ドラゴンの魔石は既に取り出してある。ドラゴン討伐の経緯はマリエールがする。何も心配はない。全てが順調だ。
ドラゴンとの戦いは始まった。最初の一撃はドラゴンの両目への貫通魔法だ。トドメは詠唱付きの貫通魔法だ。




