1 転生
香織は死を控えた床で麗奈に謝った。約束守れなくてごめんね。次に目が覚めたのは異世界だった。凄い美少女が目の前にいた。
1 転生
仕方ない死のはずだった。治療方法のない難病だった。成人するのが難しいと言われておりその通りになった。私の寿命も後僅かだ。意識が朦朧とする時が多くなった。
「香織、香織、麗奈ちゃんよ。」
母親の声だ。あゝ麗奈か。同じ年で同じ病気で一緒に死のうと約束した親友だ。約束は守れそうもない。
「麗奈ちゃん。ごめんなさい。私約束守れそうにない。先に行くからゆっくり来て。」
私は途切れ途切れにそう伝えた。
「香織ちゃん私も直ぐに行くわ。私達は何時も一緒よ。」
それが私のこの世の最後の会話になった。
次に気付いた時、目の前に凄い美少女がいた。同時にある程度の状況が飲み込めた。異世界転生したのだ。今の私はマリエール、目の前にいるのはマリアンヌのはず、しかし、魔獣の群れに殺されて2人とも死んだはずだ。スタンビード、魔獣の集団突進、2人は巻き込まれたはずだ。彼女も転生者なのだろうか。該当者は一人しか名前が浮かんで来ない。
「麗奈? 」
マリアンヌはコクリと頷いた。
「でもその名前はここでは呼んでは駄目よ。ここでは私はマリアンヌ、あなたはマリエール、それが私達の名前よ。私達転生特典も色々あるようね。私達共有アイテムボックスも有るし空を飛べるフライも有るようよ。他にも色々有るようね。それにこの世界不思議な事が色々有るようよ。私達エルフだし。」
香織改めマリエールは耳を触ってみた。確かに長い。マリエールは、
「私達エルフなんだ。不思議ね。」
2人は上空に上がってみた。スタンビードの群れとその元凶になったと思われるドラゴンの姿が見えた。マリアンヌは、
「ドラゴンを倒さないと済まないようね。私達にできるかしら。」
マリエールは少し思案して、
「できるかどうかは正直判らないけど他にできる人は多分いないわ。私達この世界にまだ愛着持てないけどこの世界にも私達がいた世界から来た人達がきっといるはずよ。その人達のためなら頑張れるんじゃない。」
2人はドラゴンと戦う事になった。2人は自分達が持つ能力が判るが使った事のない能力である。使い方は何となく判るが効果は判らない。どうドラゴンと戦えばいいのか判らない。取り敢えず色々な魔法を試してみるしかないのだろう。マリエールは、
「マリアンヌ、行くよ。」
2人はドラゴンの元に向かった。
間近でみるとドラゴンは巨大だった。マリエールは勝てるのかも知れないと思った自分の判断を下降修正せざるを得なかった。多分勝てない。しかしやるしかないのだろう。元々のエルフのマリエールの記憶もエルフの里から出たばかりのDランク冒険者としての記憶しかなくこの世界の事は良く判っていない。マリアンヌも同じだろう。しかしスタンビードとドラゴンを放置する事はできないと確信できる。多分マリエールとマリアンヌはそれを止めるために力を与えられて転生したのだから。マリエールはドラゴンに念話を送った。
「元いた巣に戻りなさい。」
ドラゴンは激しい怒号を響かせた。
香織はマリエールに麗奈はマリアンヌになっていた。2人ともエルフだ。スタンビードに巻き込まれた2人にそれぞれ転生したのだ。




