【報告書ファイル_02】4/9〜4/14
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日付:2025年4月9日(水)
記録:レプリカ調査・研究班(調査担当)
記録内容:大型レプリカ調査/遺体収容
記録本文:
2025年4月8日、仮称「第四市営地下鉄」内部構造において発生した大型レプリカとの接触事案に関し、翌9日午前、当該地点周辺における現地調査を実施した。調査は、既報の接触位置を起点とし、周囲50 m圏内を対象として行われた。
現地踏査の結果、調査時点では対象個体(以下、対象個体A)の視認には至らなかったが、通路壁面・床面部材に複数の接触痕(以下、痕跡群α)を確認。痕跡群αの形状は、鋭角かつ非対称な爪痕状であり、最大深度4.8 cm、幅11.2 cmに達するものが認められた。これらの特徴から、対象個体Aは前肢に高い刺突性を有する鉤爪状の器官を持ち、かつ筋出力に優れた二足歩行型構造体である可能性が示唆される。
加えて、接触点付近にて作業員の遺体4名を発見。着用していた旧式作業服(型式不明)は複数箇所で破損しており、腹部を中心に広範囲な裂傷と切断痕が確認された。傷口の特徴は痕跡群αとの一致性が高く、対象個体Aによる攻撃の一次的被害と判断される。遺体は速やかに収容のうえ、医療班へ引き渡した。死因および死亡推定時刻の詳細は、現在精査中である。
安全確認の後、当班は本部へ帰還した。これにて現場調査記録を完了する。
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日付:2025年4月10日(木)
記録者:レプリカ調査・研究班(調査担当)
記録名:大型レプリカ遭遇状況聞き取り記録(1)
記録本文:
本記録は、2025年4月8日午前に発生した、仮称「第四市営地下鉄」構造物内におけるレプリカ遭遇事案について、17班のID25015への聞き取り結果および現場調査に基づき作成された。
対象班である第17班は、第二分岐より進行中、進行距離約500メートル地点にて、該当レプリカと思われる個体によって、突発的な背後からの接近を受けた。証言によれば、接近は一切の予兆をなかったものとされる。
当該個体の出現により、班員2名が即座に恐慌状態に陥り、指示系統を逸脱して進行方向側(未踏領域)へ逃走を試みた。なお、双方とも遺体として発見されている。
残存する班員らは、1級作業員(ID16026)の指示の下、戦闘態勢の維持が試みられたとされる。同作業員は携行装備(鉄鋼製管状打撃器)による応戦姿勢を明示することで、現場の士気および心理的安定の維持に尽力したと証言されている。
ID25015の怪我の容態を考慮し、残りの聞き取り調査については、翌日(4月15日)に実施を延期することとした。
補足:
*管状鉄鋼製打撃器
工業用鋼材を基礎に、兵装開発班にて鋳造・加工が施された打撃特化型近接兵装。全長91センチ、質量2.2キログラム。表面には防錆コートが施され、握把部には合成樹脂製グリップを増設。
作業班に支給され、班内での通称は「鉄パイプ」。
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日付:2025年4月11日(金)
記録者:レプリカ調査・研究班(調査担当)
記録名:大型レプリカ遭遇状況聞き取り記録(2)
記録本文:
1級作業員(ID16026)は当該レプリカの腕部による打撃を受け、即死したとみられる。聞き取り内容は、回収された遺体の損傷状態とも一致する。続くレプリカによる踏み込み動作が、直近に位置していた別の残存班員1名を直撃。胸部の強い圧迫によりこちらも即死と判断された。
後方に位置していたID25015は、レプリカの接近時に脚部に接触し、壁に打ち付けられる形で頭部および背部を負傷し、転倒した。
ID25015によれば、レプリカは一瞬ID25015の方へ顔を向けたが、再度方向を転じ、通路の進行方向側(未踏領域)へ移動。20 mほど先の角を左折し、視界から消失したとのこと。
以上の内容をもって、本件に関する一時聞き取り調査を完了する。
補足:
*1級作業員(ID16026)
ID26026は、本会社が公的機関から民営化された当初より所属していた職員であり、長年にわたり1級作業員として優れた実績を残して当社に貢献してきました。
彼は大柄な体格かつ快活な性格の人物で、面倒見が良く、多くの職員から信頼と敬愛を寄せられていました。
謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。
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日付:2025年4月14日(月)
申請者:レプリカ調査・研究班(管理担当)
申請内容:4/8遭遇大型レプリカ個体の討伐要請
申請本文:
本申請は、2025年4月8日に発生した大型レプリカ個体との接触事案に関連し、現場痕跡および生存者(ID25015)の証言をもとに当該レプリカの危険性を評価し、必要な対応措置として討伐班への出動要請を行うものである。
現場通路の構造調査により、天井高280 cmの箇所に爪痕状の痕跡が確認された。痕跡の高さと周囲との干渉具合から、対象個体の体高は概ね250 cm前後と推定される。
また、目撃証言および痕跡の照合により、当該個体は腕部が肘から先が2本に分岐していたことが確認された。この特徴は、いわゆる2重レベル相当の多重存在個体である可能性が極めて高いと判断される。
以上を踏まえ、本班では当該個体の危険度をBレベルと判定し、通常調査班による対応は困難と結論づけた。ついては、討伐班への出動要請を正式に申請する。
補足資料:
・別紙1:当該ルート図および痕跡分布図
・別紙2:ID25015による証言書・再現スケッチ
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