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ここは、ランタ村。王都からは馬で半日程度の所。
「お母さん、行ってきまーす!!」
『行ってらっしゃい!気を付けてね!』
学校に行くシエルを笑顔で送り出し、家事に取り掛かる。
私の名前は、ミア=シュバルツ。
夫はいない。
女手一つで、シエルを育てている。
村の中心ある大衆食堂で、シエルが学校から帰って来るまで働いている。気のいい女将さんがやってる食堂で、味が良いと評判でわざわざ王都から来るお客さんもいて、結構繁盛しているみたい。
「ミア、今日は団体さんが来るから仕込みが大変だよ」
『団体客ですか?珍しいですね。』
「王都からの団体さんさ。なんでも、この先のミクリ村に視察に行く第一王子のシュラン様がうちの店の事を小耳に挟んだみたいで、料理を食べてみたいんだって。だから、30人位の食事を用意しなくちゃいけないから、頑張ってよ~」
『王都からの……』
「何かあるのかい?」
『いや、シュラン様がこんな田舎に来るなんて珍しいからびっくりしちゃって…』
「私もびっくりしたけどね。うちにしてみたら、稼ぎ時だから頑張らないとね。」
『そ、そうですね……』
「て事で、肉の下ごしらえよろしくね」
そう言って、女将さんは店先の掃除に行ってしまった。
シュラン様がここに来るのか……。どうしよう…万が一、私の事が分かってしまったら……なるべく店内に出ない様にして、調理場にいないと。
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