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10『伊能、あの世に続く森の存在を知る』

「8メートル先じゃ。仰角1度下げ。撃て!」


 来た道を戻りながら、楽しい楽しいウサギ狩り。

 テオたちが喜ぶ顔が目に浮かび、ウキウキのジスカである。


「せっかくじゃから、もう少し西のほうも見てみんか?」

「絶対に駄目!」


 ジスカは思わず大声を出してしまった。


「ど、どうしたのじゃ急に?」

「……駄目なの。ここから西へ半日も行くと、そこはもう『迷いの森』。入ったが最後、絶対に戻ってこれないの」

「ほほう! ということは当然、未測量なのじゃな!?」


(あ、まずい……)


 イノーの目が輝いている。


「そのような森、ますます測量せねばなるまい!」

「駄目だってば!」

「じゃが、迷いの森などとは言っても、しょせんは森じゃろう? 森の先には何があるのじゃ?」

「分からないの」

「え?」

「あの森の先は、この国の王様も治めていない、未知の土地だと言われているの。そもそも、森の先があるのかどうかも分かっていない。あの世――エデンにつながっている、とすら言われているわ」

「あの世……」


 ふと、イノーが遠い目をした。


「ちょっと、イノーちゃん? 本当に駄目なんだからね?」

「あぁ、分かったとも」


 それっきり、イノーは黙り込んでしまった。

 ウサギを見つけたときはちゃんと補助してくれたが、それ以外のときは終始上の空といった様子だった。

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