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我、異世界にて暗躍ス  作者: 聖 ミツル
第2章 暗躍編

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第78話 天空の島では……




「ライル様、お帰りなさい」


 そう声をかけてくれたのはミルフィーだ。


「ただいま、ミルフィー。それと長官、リールお疲れ様でした」


「ライル君、大変な事になっているんだな? 」

「え〜〜、不可解な文言の依頼が大事になりました」


「ライル〜〜、魔獣がポップするって本当? 」

「なんだ。リール。迷宮だけじゃ物足りないのか? 」

「だって、みんなもいたし本気出せないじゃん」


 確かにな……


 するとメンデルさんが


「あとで会議室で話そう。事務員達も参加してくれ」


『わかりました……ニャン』


「そう言えば騎士団の人達はどうしたのですか? 」

「一緒に20階層を攻略したよ。あれからは誰も怪我人を出していないぞ」

「そうでしたか。では、リアス嬢を合流させないといけませんね」

「そうだな。今日は迷宮都市の宿屋に泊まるそうだ。それにあいつらも皇都に行くらしいぞ。武術大会の一般部門にエントリーしているそうだ」


「随分、過密なスケジュールですね」

「教会からの指令で断れないようだ。まぁ、武術大会が本命で迷宮はその為のレベル上げと言ったところらしいが」


 教会も立花達を駒のように扱ってるな……


「あれ、姉さん達は? 」

「一緒に迷宮都市の宿屋に泊まっている。騎士団のみんなと仲良くなったみたいだぞ」


 苦手なリアナ嬢を克服したのか……


 俺は衛星を使って騎士団のいる宿屋を探す。

 リアナ嬢は副団長と一緒の部屋みたいだ。

 夕食時には食堂に行くだろう。

 その時にリアス嬢を部屋に転移させるか……


 そう考えているといきなり足を踏まれた。

 そこには怒っているニュイがいる。


 今日、ほっといたからなぁ……


「ニュイ、あとで遊ぶか? 」

「ふん。ライル、居なくなる。嫌い」


 結構、怒ってるぞ……


「すまなかった。ちょっと用事ができたんだ。ニュイを連れていけそうな場所じゃなかったんだよ」


「そう言えば、お父様との再会を果たしたのですね。おめでとうございます」


「あぁ、ちょっと予定外の事態になってしまったけどね」


「それはどういった事なのですか? 」


 質問してきたミルフィーに今までの事を話す。すると、


『えっーー!! 準男爵を賜ったんですかーー!! 』


「成り行きでね。ブリュッセル家の存続を父さんに相談しにいったらそうなってしまった」


「ライルって元々貴族でしょう? 何で準男爵になるの? 」


「リール様、それはですね。ライル様は男爵家の二男ですから成人後は、平民と同じ扱いなのですよ。長男の方は家を継ぎますから男爵家の跡取りとしての地位を受け継ぎますけど、二男の方はその保証が無いのです。ですから、平民と同じ扱いになってしまうのです」


「へ〜〜貴族って、結構シビアなんだね〜〜」


「はい。その通りです。それではライル様のお祝いをしないといけませんね」


「じゃあ、会議は祝賀会を兼ねてやろうか? 」


「わかりました。用意致します」


 事務員さん達は忙しそうに動き出した。


 俺はリアス嬢を合流させる為、竜の里に転移しようと思っていた。


 ニュイも連れてかないと不機嫌になるし……


「ニュイ、竜の里に行くけど行くか? 」

「行かない」


 ……これは反抗期なのか?

 どんな敵の攻撃よりもニュイの言葉の攻撃が1番ダメージが大きい……


 俺は仕方なく1人で竜の里まで転移した。





 まず訪れたのは、ドワーフ職人のドドンパッチさんのところだ。


「こんにちは」


 声をかけると、奥に部屋から見慣れた顔が出てきた。


「よ〜〜小僧、出来てるぞ」

「ありがとうございます」

「何だか元気ねぇじゃねぇか? 」

「ちょっとショックな事がありまして……」

「まぁ、そういう事もあるさ。人生、谷あり奈落ありだ」


 沈みっぱなしじゃないか!!……


「ところでいつのも嬢ちゃんはどうした? 」

「…………嫌われました」

「それが原因か〜〜」

「女心とヤギの糞だな」


 秋の空じゃなくて?

 そうか、コロコロしてるからか……

 この世界、いろいろおかしいだろう!!


「それで、お面はどんな感じですか? 」

「そうだった。今持ってくる。待ってろ」


 ドドンパッチさんは奥の部屋に戻り、お面を持ってきた。


「どうだ。よく出来てるだろう? 」


 ドドンパッチさんが差し出したお面を手に取ると物凄く軽い。


「随分、軽いですね」

「あ〜〜甲羅の部分で1番魔力を通しやすい薄皮を使ったからな」


「かぶってみろよ。少し魔力を通すんだ。すると外れなくなる。外す時も同じ要領だ」


「わかりました」


 言われるままに顔にかぶり魔力を通す。

 すると、顔に違和感なく張り付き、視界もクリアだ。


「それを付けて食事もできるぜ」

「確かに違和感なく口を開けれる」


「凄いですね。これ」

「素材が良すぎたからな。魔力もかぶる時と外す時だけ必要なだけでマナの消費量も抑えられるし、完璧なお面だぜ」

「確かに……」

「それにそのお面はもう一つ機能がある」

「何でしょうか? 」

「今は、単に白くて表情のない面だけどな。まぁ、口で言うより俺が試してみたほうがわかりやすいか」


ドドンパッチさんは、お面をかぶりそして魔力を通したようだ。すると


「おっ〜〜これは……」


 お面をかぶっているドドンパッチさんの顔が俺の顔になった。


「どうだ。これ? 」

「凄いです。つまり、変装機能があるのですね」

「正解だ。顔を思い浮かべて魔力を通すとその顔通りにお面が変化する。どうだ。最高だろう? 」

「はい」


 マスク自体に重さはほとんどない。かぶれば伸縮性も通気性も問題ない。

 これはチート面だ。


「薄くした分、防御力は期待できねぇけど、ミノタウルスぐらいの攻撃なら屁でもねぇぞ」


 マジか、それだけでも十分じゃないか……


「ありがとうございます」


 俺はお面を外すと、普通に硬くなる。

 ニュアンス的には薄いプラスティックでできた白いお面と考えて貰えば良い。


「じゃあ、これ渡しておくぜ。おい、ガガンボッチ、例の物持ってこい! 」


 奥から大きな袋を担いだガガンボボッチさんが登場した。


「甲羅一つにお面がひとつしか作れなかった。使った部分は甲羅の内側にある薄皮だ。甲羅の面の部分を使ってこれを作った。これもやる」


 その袋の中身は、小さな丸盾がギッシリ詰まっていた。


「盾ですか? 」

「あぁ、でも普通の盾じゃねぇぞ。前腕につけて魔力を通してみろ」

「はい」


 俺は言われた通り、前腕のつけてその腕を前に出し魔力を通した。

 すると、盾から1人分のシールドが展開される。


「シールド機能があるのですね? 」


「そうだ。そのままでも十分な防御力だが魔力を通すことによってシールドを張ることができる。お前さんとこには非戦闘員もいるだろう? いざという時の為にな。作っておいたんだ」


 このドワーフ職人の腕は相変わらず凄い……


「ありがとうございます。みんな喜びますよ」


「さっき、お前さんとこの事務員さんが来たので渡そうと思ったんだが、どうせ小僧が来ると思って渡さなかったんだ」


 ミルフィーかな? 竜の里に行ってるとセレーネが言ってたっけ……


「そうでしたか」


 俺は、荷物をバックに仕舞い、店を出る。

 そして、早速お面をかぶって屋敷に向かった。





 リアス嬢は部屋にいるようだ。

 俺は、応接室に行きシエルとチエロそしてテプタを呼んだ。


「みんなお疲れ様、リアス嬢を連れて行くよ」


「ライル様ですよね〜〜」


「そうだよ。お面をかぶってからね。みんなの分もあるよ。ほら」


 テーブルにお面と丸盾を出す。


「ポーチに入れといてね」


「わ〜〜い。ありがとうございます」


『お面。お面』


 シエルとチエロは早速、お面をかぶった。


「良く似合うよ」


『お面嬉しい。お面楽しい』


 喜んでくれて俺も嬉しい……


「転移門で本部に戻ってね。今日は宴会らしいから」

「そうなんですか? わ〜〜い。やったーー! 」


 宴会は、子供達にとってはお祭りみたいなものだ。


「じゃあ、また後でね」


 そう言ってリアス嬢の部屋に行く。お面もつけフードをかぶれば大丈夫かな……


 ドアをノックすると、リアス嬢の返事が聞こえた。


 俺はドアを開け中に入る。少し声を低くして


「これから、お前を連れて行く」


 少し驚いた様子で俺を見ながら


「あの〜〜どちら様ですか? もしかしたら死神さんですか? 私は天国ではなくて地獄に行くのでしょうか? 」


 勘違いは続いていたようだ。


「忘れ物はないか? 」


「はい。覚悟はできています……」


 衛星を展開しつつ迷宮都市のリアナ嬢の部屋に誰もいないことを確かめて、俺はリアス嬢をお姫様抱っこする。


「キャッ」


 悲鳴だけで暴れていないのが幸いだ。


「では、行くぞ」

「……はい」


 リアス嬢は覚悟を決めたようだ。


 俺は、そのまま迷宮都市の宿屋の転移した。


「着いたぞ」


 周りをキョロキョロ見渡しながら


「地獄は宿屋さんみたいなのですね」


「ここは迷宮都市の宿屋だ。君は生きているよ。すぐここに貴女の仲間が来るだろう。今は、下の階で食事をしているようだが」


「えっ……」


 俺から降りて床に足をつくり。そして、俺の胸のあたりを見て、


「あの〜〜そのペンダントは? 」


マズい……

そうか、封印の水晶のペンダントを見たのか?


「では、また」


 俺は慌てて本部の自室に転移して戻った。


 バレてないよね……

 まぁ、何とか誤魔化せば大丈夫か……


 お面を外し、ベッドに横になる。すると、布団の中からベッドからニュイとうさぎが出てきた。


「ニュイ、ここにいたの? 」

「……ライル、また、おいてった」


 ニュイは行かないと言ったのだが……


「悪かったよ」

「反省、する? 」

「反省してます」

「そう……」


 許してくれたのかな?


「そうだ。ニュイ、お面をあげるよ」


 ニュイにお面と盾を渡す。


 すると、ニュイはお面をうさぎにつけた。


「うさぎに着けるの?」

「うん」

「もしかして、盾も?」

「そう」


 うさぎ、最強だろう……


 その時、ミルフィーから連絡が入った。

……………………

「ライル様、依頼の手紙が掲げられました」

「そうなんだ。場所は? 」

「皇都、王城です」


 マジか……


「わかった。夜見に行くよ」

「それから、宴の用意が出来たそうです。湖畔の屋敷においで下さい」

「わかった」

……………………


 王城から依頼か……

 使者というわけのわからぬ人物の存在を確かめる為か……

 面倒だな……


「ニュイ、宴会の用意できたようだぞ。行くか?」


「うん」


 俺達は、みんなが集まっている湖畔の屋敷に向かった。





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