↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我、異世界にて暗躍ス  作者: 聖 ミツル
第2章 暗躍編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/145

第39話 各々の活動




……………


 使者様へ


 お願いがあります。

 私のお父さんの足を治して下さい

 お父さんは、私を魔物から守るために、

 足を食べられちゃいました。

 働きたくても働けません。

 だから、お願いです。

 お父さんの足を治して下さい


 テプタ

……………


 シドさん……

 テプタ……依頼主は娘さんか……


「わかった。『ナイト・フォグ』No1ライルがその願い聞き届けよう」


 俺は、手紙を読みシドさん宅に侵入する。

 認識阻害、隠密の効果は、元Aランク冒険者シドさんでも察知できないだろう。


 俺は、依頼主であるテプタなる少女のところに行く。

 寝たばかりのようで、目には涙のあとが残っていた。


 そして、手紙を置いて行く。内容は決まっていた。


………………………

 その依頼、聞き届けた


 『ナイト・フォグ』

………………………


 今度は、シドさんが寝ている部屋に行く。

 寝ているシドさんを確認して、その様子を見ると右足が腿から欠損していた。


 普段なら神樹の実から作ったエクサリーを置いておくだけだが、シドさんには世話になったのもある。


 俺は、シドさんに向けて回復魔法をかける。

 右足が、元に戻るイメージを強め大量の魔力をその足に集中させる。

 すると、光り輝きシドさんの足が元に戻り始めた。


 シドさんも流石に目を覚ます。


「何だ!? 何が起きてる! 」


 シドさんからは、俺は、見えないはずだ。

 その声に反応して、テプタ、娘さんも起きたようだ。


「お父さん、どうかしたの? 」

「テプタ、足が、足が……」

「えっ、足が痛むの? でも、何、この光」

「違うんだ。足が元に戻ったんだよ! 」

「本当〜〜? 」

「あぁ、本当だ。どうしてなのかわからない。でも、急に、足が光り出して元に戻ったんだ」

「嘘、本当に、じゃあ、使者様が治してくれたんだ〜〜」

「そうかもしれない。テプタのおかげだ」

「違うよ。使者様のおかげだよ」

「ありがとう。テプタ。使者様……」


 2人は、抱き合って泣いていた。


 そして、シドさんの足が完全に戻った事を確認して、俺はその場を立ち去った。



 俺は、また、村から離れた林の中にいる。

 もう、夜も遅いが長官に連絡を入れる

…………………

「ライルです。夜遅くに失礼します」

「うん、寝れずに連絡を待ってしまったよ」

「そうだと思いました。依頼内容は、娘さんからで、シドさんが魔物から娘さんを庇って、右足を欠損してました。それを治して欲しいという内容でした」

「そうか、リーダーが……」

「はい。それで、回復魔法をかけ、欠損部分の再生を確認、家を後にしました」

「そうか、すまなかったな、ライル君」

「シドさんには、お世話になりましたので」

「私やその仲間も君に救われてばかりだ。この恩はどうやって返したら良いか……」

「私も救われました。お互い様です。では、任務完了です」

「ありがとう、ライル君。お疲れ様」

……………………


 治って良かった……


 シドさん、結構、おじさんになってたな……


 【ミッション・コンプリート、報酬は過去の精算】


 俺は、その場所に、魔物除けを置き毛布を取り出して少し休んだ。






 ここは、クロウ勇国首都にある、ユオが経営する『ヒュール商店』本店では、ユオが研究室にこもりある商品を開発していた。


「違う……これじゃあ、ダメだ……」


 素材が合わないのかなぁ〜〜

 林檎じゃきっとダメなんだ……

 じゃあ、柑橘系かな?

 イヤイヤ違う。きっと、こう、ふっくらとした〜〜そう!

 やはり、桃だよね〜〜


 でも、素材を取りに行く時間ないし……

 もう時期、定例会議の日がくるし〜〜

 そうか、冒険者ギルドに依頼を出せば……


 ユオは、大急ぎで、研究室を出てその足で冒険者ギルドに向かった。


「ようこそ。あっ、ユオさん、どうかしましたか? 」


 クロウ勇国の首都にある冒険者ギルドは、全国の街にあるギルドの総本部だ。ここで、冒険者ギルドは発足し、各国に広まった経緯がある。


 そんな冒険者ギルドに、白衣を着た白狼の亜人ユオが慌てて駆け込んできた。そんな様子を見た受付嬢のクリスは、


「ユオさん、また、依頼ですか? 」

「そうそう、クリス。お願い、早急に桃の実を取って来て欲しいの」

「桃の実ですか? この時期ですと、大森林手前の街、ショルダンに行かないと無いかもしれませんね」

「どれくらい時間がかかる? 」

「そうですね〜〜優秀な冒険者なら2日で採って来れると思います」

「お金は弾むわ。お願い。」

「それじゃあ、金貨2枚でよろしいですか? 」

「良いわよ。出来るだけ急いでね」

「はい。では、今からその依頼、掲示しますね」


『ちょっと、待ったーー! その依頼、私達が請け負うわ』


「これは『純情可憐』の皆様、よろしいのですか? 」

「え〜〜私達なら直ぐに行けます」


「え〜〜と、本当は、掲示しないといけないのですけど……」


「クリス、この人達でいいわ。何なら、直接依頼でも構わないわ」

「そうですね〜〜わかりました。『純情可憐』はAランクの冒険者たちです。本当は、CかDランクの皆さんにお願いしようと思ってたのですけど、よろしいですか? 」

「じゃあ、金貨3枚出すわ。よろしくね」

「それなら、釣り合いも取れます。『純情可憐』の皆様、それで、よろしいですか? 」


「え〜〜構わないわ」

「では、期日は、3日以内ということでお願いします」


 ユオは、喜んで金貨を払い、研究室に戻った。


………………………


 その頃、『純情可憐』のメンバーは、


「良い依頼だわ。直ぐに出発しましょう! 」

「メリーナ、いいの? そんなあっさり決めちゃって〜〜」

「良いのよ。早く、ここを出ないとお祖父ちゃんがお見合い相手、連れて来ちゃうんだから」

「シェリー、諦めよう。メリーナがああ言い出したら、反対しても無理だよ」

「そうよ。でも、私は嬉しいかも。桃食べれるし」

「チップもタミンも依頼より、食い気なんでしょう? わかるわよ。それくらい」

「バレたか〜〜」

「面目無い……」

「さぁ、早く行こう! 」


 冒険者『純情可憐』のメンバーは、ショルダン方面行きの乗合馬車まで急ぐのだった。


………………………



 研究室に戻ったユオは、


 きっと桃の実なら成功するはず。

 マギナ草の粉末は入れたし、

 子鹿のツノの粉末も入れたし、

 それと、オオサンショウウオの焼き炭を少々っと……

 これで、ホルモンのバランスは、十分だわ。


「絶対、大きくなってやるんだから〜〜」


 ユオは、自分の洗濯板のような胸を触ってそう叫んでいた……


「あれっ、あの子、確か主任の……」






 ミスティナ皇国の南に位置する砂漠が半分締めるその国に、ナハトは自ら率いる雑技団の公演用のテントを設置していた。


 その国は、サウザンド国と言い、ナハトが公演する街はジプタの街と言った。


「おい、怪我するなよ。ゆっくりでいいから慎重にな」

「はい。団長」


 獣人の子達が6人、人族の子達が3人、それとエルフとドワーフが1名づつという大所帯だった。


 移動する馬車も3台必要で、ナハトは、持ち前の面倒見の良さでみんなから慕われていた。


 ナハトが『ナイトフォグ』の仕事で留守の時は、副団長の人族、ジョージアがみんなの面倒を見ていた。


 ジョージアは、無実の罪で死罪に合うところを助けられてからナハトの右腕として仕えている。もちろん、ナハトの正体を知る団員の中で唯一の人物でもある。


「しかし、ここは暑いなぁ〜〜」

「獣人にはきついかもしれませんね〜〜」

「そうなんだよなぁ〜〜、でも、祭りに呼ばれちゃ断ることもできないしな」

「まぁ、休みながらやりましょう。領主の対応などは、私が引き受けますから」

「わり〜〜そうしてくれる? 」

「何時もの事ですから」


 テントの設置も順調に進んでる。この分だと、お昼には、完成しそうだ。


「おい、みんな、水飲めよ〜〜」

「は〜〜い」


 ナハトの雑技団は、とてもホワイトな職場のようだ。


 この公演が終わると定例会議か……


 最近は、魔獣がポップする頻度が高い。

 何時も抜け出して、雑技団のみんなに迷惑をかけるのも気が引ける。

 だが、これだけは、どうしても譲れない気持ちがある。


 ライルの事……

 そして、ノーチェの事……


 あの2人は、俺たち兄妹の命の恩人だ。

 それなのに、恩着せがましくなく友人として接してくれた。


 俺の命は、あいつらの為にある……


 口には出せないが、そう思って生きてきた。

 それは、これからも同じだ。


 それなのに……


「全く! 何やってやがんだ。あの吸血鬼女は! 」


 何で、何も言わずにいなくなった!

 せめて、ライルにだけは言っていけばいいじゃねぇか!


 怒りが込み上げてくる。


 でも、悲しい気持ちにもなる。


「どうしたんだよ! 全く! 」


 自分が情けなかった。


 あの女は、きっといろんな事を抱えていたんだ。


 俺は、ライルとあの女に救われた。


「でも、俺は、ライルもあの女も救えてねぇーー! 」


 俺は、雑技団のみんなも含めて守りたいものがたくさんできた。


 その中には、ライルもあの吸血鬼女も入ってるっていうのによ〜〜


「あぁ〜〜情けねぇ……」


「団長、演目はどうしますか? 」

「そうだな〜〜何時も通りでよくねぇか? 」

「わかりました。伝えてきます」


 ジョージアは、優秀な人族だ。

 こんな獣人の俺に、従ってくれる。


 ジョージアの働く姿を見て、俺も頑張ろうと自分を奮い立たせる。


「せめて、定例会議までに、あの吸血鬼女の居所さえわかればな〜〜」



 ナハトは、ナハトなりに、旅をしながらノーチェの居所を探していたようだ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。