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我、異世界にて暗躍ス  作者: 聖 ミツル
第1章 少年期

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第20話 偶偶(たまたま)




 白狼族の獣人、ナハトとユオは、その後、お風呂に入り、食事を済ませて部屋で休んでもらった。今後の事は、事情を聞いた上で、自由にしてもらおうと思っている。


 朝、目が覚めると、隣にぬいぐるみがいた。


「あれ? 」


 すると、ドタドタを廊下を走る音がして、急にドアを開けたぬいぐるみが俺を見て


「あーー! お、お前、ミカン、じゃね〜〜ユオ……妹に何してやがる!! 」


「うむ。おはよう」

「おはようじゃねーー! な、何で妹と一緒に寝てんだよ! 」

「妹!? 」


 俺は、その言葉で気がついた。

 隣で寝てるのは、ぬいぐるみではなくユオだと。


「わぁ! 何してんの? 」

「……寝てた」

「はい!? ユオは、ナハトと一緒じゃなかったの? 」

「……トイレl

「うん」

「……寝た」


 単語を繋げると、夜、トイレに行って部屋を間違えたのか……


「ナハト、部屋を間違えたみたいだぞ」

「そ、そ、れは、本当なのか? 」

「……違う」

「おい、お前! 違うって言ってんぞ! どう、落とし前つける気だ。はぁあん?」


「じゃあ、どうして? 」

「……いい匂い」

「匂い? 」

「……そう」


 うむ。わけがわからん……


「いい匂いがしたんだってよ」

「匂いと、これは関係ね〜〜だろう! はぁあん? 」


「いい匂いがしたんだ? 」

「……そう」

「いい匂いがしたからここに来たの? 」

「……そう」

「何で? 」

「……落ちつく」

「ナハト、そう言う事みたいだぞ」


「わ、わかった。妹が勝手に来たみたいだな。でも、これとそれとは、話が違う。俺と勝負しろ! 」


 わぁ、面倒くさい……


「後で森に狩に行こうと思ってたから、その時でいいだろう? 」

「わかったぜ! その言葉で忘れんなよ。さぁ、ユオ行くぞ! 」


 ナハトは、ユオを引っ張って自分達の部屋に帰って行った。


 何だったんだ?





 朝食のテーブルに、4人が座って、焼串肉を食べている。昨日、夜襲に行く前にノーチェが買っておいたものだ。


 ノーチェと俺の亜空間収納は、時間経過が無いらしく、買ったそばから亜空間収納に入れれば、その時の状態のまま保存できるようだ。


 そんなわけで朝から肉なのだが、正直、軽いものが食べたい。だが、出されたものは食べる信念を持つ俺は、文句を言わずに黙って食べる。


 ナハトとユオは肉が好きらしく夢中で食べていた。夢中になりながらもナハトは、俺を威嚇しながら肉を食べている。


「ナハトとユオだっけ? いいの、名前を変えちゃって? 」


 ノーチェがそう言うと


「いいんだ。俺は結構、気に入ってる。が、勝負は別だ! 」

「ライルと勝負するの? やめといたほうがいいわよ」

「俺が、こんなチビに負けるわけね〜〜だろう! 」

「そう、勝手にすれば。でも、忠告はしたからね」

「へ〜〜んだ」


 面倒なタイプだ。事情を聞こうと思ったが、この分じゃ無理そうだ……


「ノーチェ、この後、森に行くけど、行くかい? 」

「うん、行く。レベル上げたいし、それに、昨夜は、私、何も出来なかったしね」

「わかった」

「ねぇ、ライル、もっとさぁ、誰かにちゃんと教わったほうが良くない? 昨夜は、侵入までは、良かったけど、その後が、最悪だったし」

「そうだね。機会があったら教わろうか? 」

「そうよね」


「ところでここは何処なんだ? ライル、お前は、貴族のボンボンなのか? 」

「ここは、竜人族の里だよ。縁があってこの屋敷に住んでるんだ。それと、俺は、一応、人族だよ。ここに来る前は、貴族の次男だったけど」

「竜人族の里だって! 本当かよ! 」

「本当だよ。地下にある亜空間らしい。ここが、地下だなんて言われないとわかんないよね」

「地下!? 亜空間!? 」

「まぁ、ここでは、誰もナハトやユオに悪い事はしないし、のんびり暮らせるけど、どうするかはナハトやユオが決めればいい」

「地下なんだよな。地上に出られないんじゃねーーのか? 」

「うん。転移でしかでれないみたいだ。でも、出たければ、連れて行くよ。この屋敷にずっと住んでいても構わない。自由にしててくれればいい」


「この屋敷、2人で住むには広すぎるのよね〜〜」

「な、何、お前達は、そ、そういう関係なのか? 」

「な、何言ってんの? そんな事あるわけでないでしょう! 全く」


「俺がここに連れてこられて、ノーチェに会ったんだ。友達になったから一緒に住んでいるんだよ。部屋もたくさん余ってるしね」


「まぁ、そういう事にしといてやら〜〜」


「お互い、おいおい事情を話す事にして、食べ終わったなら森に行こうか? 」

「おーー! そうこなくっちゃ! で、勝負するんだろう? 」

「森に行ったらね。それで、ナハトは、武器とかどうする? 」

「武器か〜〜そうだなぁ〜〜でかい剣がいいなぁ」

「ユオは? 」

「…………」


「妹は見学でも構わないだろう? 」

「いいよ」

「よかったな? 」

「…………」


 ユオは、小さく震えていた。


 何かあったみたいだな……



◇◇



 朝食後、俺達は、街を歩いて、ドワーフ職人のドドンパッチさんのところに向かっていた。


 ナハトとユオは、珍しそうに周りを見ながら歩いてる。印象的なのは、ユオがナハトの後ろで少し怯えながら歩いている事だ。


「この店よ」


 ノーチェが、そう言いながら元気よく声をかけ店の中に入る。


「ごめんくださ〜〜い」


 人見知りって設定、嘘だろう? なぁ、ノーチェ……


「よぉ〜嬢ちゃんと小僧じゃね〜〜か。まだ、できてね〜〜ぞ」

「ドドンパッチさん、この子の剣を探してるんですけど」

「この子じゃねえ、白狼族のナハト様だ」

「はい、はい。で、大きな剣がいいんだって」

「嬢ちゃんと小僧の知り合いじゃあ、しょうがねえな。良いのがあるぜ。でも、そのガキに扱えるかね〜〜」

「何言ってんだ。俺が扱えね〜〜剣など、あるわけでね〜〜だろう」

「こりゃまた、威勢のいいガキだ。ちょっと待ってな」


 ドドンパッチさんは、店の奥に入って行った。


「ねぇ、ナハト。あんた本当に剣を扱えるの? 」

「あたりめ〜〜よ」

「それならいいけど、狩は遊びじゃないんだからね。身の丈に合った剣じゃないと命の保証はできないわよ」

「そんな事は百も承知だ。しつけ〜〜んだよ。この女は」

「ふん。忠告はしたからね」


 ノーチェを怒らすと後が大変なんだけど……


 その間、ユオは、ナハトの背後に隠れるようにじっとしていた。


 すると、ドドンパッチさんが大きな剣を担いで持ってきた。


「大きいわね〜〜」

「うむ。大きいな」

「この剣は、大剣と言って、ここに落ちてきた冒険者が持ってたもんなんだが、このガキに扱えるか? 」

「あ、あたりめ〜〜だろう。ちょっと、かしてみやがれ! 」


 ドドンパッチから剣を受け取ったナハトは、その重さに耐えかねてゆらゆら揺れている。そんな様子を見て


「こりゃあ、ダメだな。もう少し小振りの剣じゃねーーと危ねぇな」


 確かに……


「へへん。こんなもん。俺は、大丈夫だぜ! 」

「粋がっても死ぬだけだぜ。ちょっと待ってな」


 ドドンパッチさんは、また、奥に入って行った。そして、今度持ってきたのは、刃渡り1メートルくらいの剣だった。


「狼のガキ、この大剣は、お前が大きくなるまでとっといてやるから、それまで、これを使いな。この剣は、ミスリルでできた高級の剣だ。お前さんには、高級の剣の方がいいだろう? 」


「よくわかってんじゃね〜〜か。よし、そういう事なら、その高級の剣を使ってやら〜〜」


「おい親父。そのデカい剣はとっておけよな! 」

「わかったよ。ここじゃ、剣など滅多に売れんから大丈夫だぞ」


 そうして、ナハトは、少し大きめの剣を購入した。

 もちろん、代金は俺持ちだった。


 その後、転移して森の入り口まで来ている。


 着いたそうそう、勝負と言い出すナハトに、どうしようか困っていると、


「狩の前に勝負したら、疲れて、狩ができないじゃない。夕食に肉が無くていいの? 」


「それは、あった方がいいけどよ〜〜、勝負がよ〜〜」

「何、子供みたいな事、言ってるの? 生活がかかってるんだから、せめて、狩が終わってからにしなさいよね」


 と、ノーチェが説教をした為、勝負は、どちらが多く倒せるかに、いつの間にか変更されてた。


「じゃあ、行くぜ! ライル、後で吠えずらかくなよ! 」


 と、ナハトは、威勢良く森に突っ走って行った。


「ノーチェ、悪いけど、ナハトを見てあげてくれる? 俺は、しばらく、ユオといるよ」


「そうよね〜〜あのバカ、勝てない魔物に突っ込んでいきそうだもんね」


 そう言って、ナハトの後を追いかけて行った。


 ノーチェは、結構、面倒見がいいみたいだな……


 ユオは、今度は、俺の背後に隠れて少し、震えている。


 俺は、狩には行かず、ここで、ユオと留守番することにした。

 それでも、『衛星』を展開して、警戒は、怠らない。


「ユオは、狩とか苦手? 」

「……した事ないからわかんない」

「そうか。あっちの木の株のところで休んでようか? 」


 返事を待たずに、俺はユオをそちらに導く。

 ユオも黙ってついてきた。


 今朝、寝てたユオと印象が違うな……

 何かを抱えているみたいだが、無理やり聞き出すのもなぁ……

 まぁ、のんびりしてれば、気も落ち着くだろう。


 ここは、ノーチェが、初めて転移した場所だ。

 そんな事を考えていると、ユオが


「あの……助けてくれてありがとう」

「どうしたの? 」

「まだ、お礼ちゃんと言ってなかった」

「そうか」

「うん」


「何で助けてくれたの? 」

「君達兄妹は、ついでだったんだ。女の子がいただろう。あの子とは知り合いだったからね」

「そう、でも、どうしてわかったの? 」

「うむ。みんなの居場所がわかる能力があるんだよ。公には言えないけどね」

「それって特別な力の事? 」

「そうみたいだね。ユオにもあるだろう? 」

「わかんない」

「教会で祝福は、受けたの? 」

「祝福って何? 」


 そうか、知らないのか……


「俺達、人族は、5歳になると教会で祝福を受けるんだ。その時、神様が、ギフトという能力をくれるんだよ」

「そうなの? 私も祝福を受ければもらえるの? 」

「人族はそうだけど獣人は、俺も良く分からないんだ」

「獣人はダメなの? 」

「お兄さんは何か言ってた? 」

「何も、知らないよ。きっと」

「そうか、調べてみないと今は、答えられない。迂闊なことを言ってぬか喜びさせたくないからね」

「ううん。それだけわかれば、自分で調べる」

「調べてあげようか? 」

「えっ」

「祝福の件じゃなくて、今のユオの能力だよ」

「そんな事調べられるの? 」

「この世界には、レベルという概念があるからね。俺の能力の1つでそれを調べられるんだ。これも公にできないけど」

「調べて、お願い」

「うん。わかった【鑑定】」


……………………


ユオ (白狼族) 5歳 白狼族長の娘

Lv 4

HP 45/45

MP 127/127


祝福ギフト

 全魔法適正(5)

 全魔法耐性(5)

神ギフト

 言語理解

 錬金術

スキル

 投小剣

 気配察知

……………………

アステル神の加護




「えっ!? こ、これは……」





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