★おまけ番外編★ハナの才能。
以前、本編に掲載していたものをこちらに再掲載させて頂きます。
「何だそれは?」
「にょうっ!?」
書物机に向かっていた花は、いつものように突然後ろからルークに声を掛けられて悲鳴? を上げた。
――― 「にょう」って言っちゃったよ……もう!!
「だから、いきなり声をかけるのはやめて下さいって言ってるじゃないですか!! ああ……線が歪んでしいました」
「……」
花の反応に微妙な顔をしていたルークだったが、結局はいつもの様に花の抗議を無視して質問を続けた。
「で、なんなんだ?」
「犬を描いていたんです」
「……犬?」
眉を寄せるルークに、花は弁解する。
「線が歪んでしまったから、そうは見えないかも知れないですけど……」
「――犬には四本の足があったと思うが……どこにあるんだ?」
「こ、これから生えるんです!!」
「……そうか」
どうやら花には絵の才能がないらしい事を知ったルークは、それ以上絵の内容について触れる事はやめた。
「それで、何を思っていきなり犬を描いているんだ?」
「思い出したんです」
「何を?」
「学校の調理実習の時、友達の沙耶に『花は料理界の岡本太郎だ』って言われた事を」
犬に棒――ではなく、どうやら足らしき物を描き足した花はルークに向き直って答えた。
が、言葉の意味も何もかもがよくわからない。
「どういう意味だ?」
「岡本太郎氏は芸術家なんですが、芸術だけでなく民族学などにも造詣が深くてピアノに関してはプロ級の腕前だったそうなんです! そして代表作の一つには『太陽の塔』があるんですよ。思わず『月光の塔』を連想してしまいますが、そびえ立つその姿はまるで違ってとてもユニークなんです。ただ残念ながら『太陽の塔』の第四の『顔』は行方不明になっていて、未だに手掛かりがないんです。まさか廃棄処理なんて事にはなってないといいんですが……」
「………そうだな」
花の説明はやはり意味不明でますます理解出来ないのだが、ルークは頷くしかなかった。
「で……ハナと料理とその人物とどう関係するんだ?」
「爆発するんです」
「は?」
なんとか理解しようと努力したルークの問いは、更に謎を呼んでしまう。
「私がお料理すると、なぜか爆発するんです」
「何の魔法だ、それは?」
「ええ? 魔法の訳ないじゃないですか。自然現象です」
「……明らかに不自然だろう」
「そ、そんな事はないと思いますけど。私はただ……ちょっと、お料理が苦手なだけで……」
「……ちょっと、か……」
小さく呟いたルークは、間違っても花が調理場に足を踏み入れる事がないようにと、周囲に徹底させる事にしたのだった。
読んで下さり、ありがとうございます。
今年は岡本太郎氏生誕100年です。
復元された第4の顔「地底の太陽」は万博記念公園内の施設にて10月10日まで公開中です♪




