第14話 重連合体戦士ライデン
おれごんには交通事故に遭った経験がありましてね。
小1です、入学して間もないころ。舗装はされていたけれど、まだいくらか木製の電柱が残っていたころ。
一時気を失いましたが幸い巨大なタンコブを作っただけで命に別状なく、数日入院して検査、問題ないことがわかったので退院できました。
母には本当に悪いことをしましたよ。寿命が縮まったと思います。なにせ家の前で轢かれたのですからね。ついこの間小学校に上がったばかりの我が子が、ぐったりして突如担ぎこまれた。
三つ子の魂百までの、本物の注意力が欠如した子どもでした。まあつまり、今もなんですが。
入院している間に私を轢いた運転手さんが見舞いに来られまして。なにかほしいものはないかと尋ねるので遠慮なく、おもちゃを所望しておきました。
雑誌を開いてこれだと。この変形合体するやつがほしいのだと熱弁。
その数日後。
おれごんはまんまと、前々からほしかった重連合体戦士ライデンを手に入れました。
これを父が問題視しましてね。突き返してしまいました。
昭和でした。処罰感情もあったでしょうか。とにかく、この程度で問題解決と勘違いされては困ると。
結局中身を触らせてももらえませんでした。拝むこともできなかった。
この玩具を最近手に入れましてね。40年ぶりの再会。
こんなに小さかったっけ。
ああ、おれごんが大きくなっただけか。
箱も中身も本当に小さくなっちゃって。廉価版の小スケール商品が存在しないか、真面目にくまなく探しましたもの。
金属なんてどこにも使われていない。関節なんかどこも動かない。
でもこれが。宝物になる、はずだった。
今さら手に入れたところで。
こんにちに至るまで手にしなかったのは、わたしの人生に必要なものではなかったから。
だったら、今は必要?
確認をしたかったのだと思います。一生手の届かない品物ではなかった。いつでも触れることはできた。
そばに置いておきます。これだっておれごんの今を形づくる一部には違いない。
すっかりこじらせちゃっていますけども。
それと。
これをエッセイに書くにあたって調べていて、新たな発見がありました。わたしが当時手にしたのはトランスフォーマーの方ではなく、ダイアクロンの方であったようです。こちらの方がより高価で、手に入りにくい品のもよう。
むしろ今回勘違いがあって正解だったのかもしれません。いま手にすべきではなかった。
間違った方を買っちゃうなんておれごんらしくていい。とてもいい。
あれは小1だった当時のおれごんのもの。思い出の中にだけ存在したらいいと思います。




