19話・王都からの客
「今日さ、祭りの日だから皆で行ってみよーぜ。」
「え?今日だったんだ。もうそんな時期になったんだね。あやかってさ、祭り知ってる?」
「知らない」
「あのね、王都から物資とか届けてくれる人たちを、もてなす為に色んなことをするんだよ。」
「色んなって何をするの?」
「いつもより村の真ん中が、人通りが多くなって、店も出て、大会も行われるんだよ!」
「そうなんだ、、、」
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そして3人は村の中央に来た。いつもは宿があって、ちょっとした食材や、武器、防具、アイテムを売っている出店があるが、今日はその数が10くらいあり人通りも多い。出店にはいつもは無い、食べ物、鉱石、珍品、などといった特殊な店も出ていた。
「おいこれ見ろよ!!ディア飯がうってあるぜ!」
「おいしそーだね。」
「食べたい」
「いいところに来たわね。」
店の中からある一人のお姉さんの声が聞こえた。
「あっ!アシリーさん!」
「さんはいらない。」
「何してるの?」
リカエルが聞いた
「見てわからないかな?私ここで今日は働いてるの。」
「料理できたのですね」
「おい、おい、ミナリ君なめてもらっては困るよ。私のディア飯は絶品、だよ!」
「まじか!食いてー!」
「そういえば、あなたたちに一回おごられたから、、そのお返しとして、私が無料で作ってあげるよ。」
「えーいいの!?太っ腹アシリーさん!!」
「アシリーさん!ありがとうございます!」
「僕もありがとうございます。アシリーさん!」
「だからさんはいらないっての!!」
「はいどうぞ!あそこのベンチに座って食べてね。」
「はーい」
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3人はそこからすぐ近くにあるベンチに座って、食べた。
「こういう出店って木の皿が多いんだね。」
「まぁそうだね。ここら辺には良い木が多いからね。僕もリカエルが作ってくれた木の道具とか家具とかは、あんまり壊れそうもないから。
多分質がいいと思うよ。」
「へーそうなんだ。」
「うっま!うっま!、ん?俺のことなんか言った?」
「いや、なんでもない。」
「うっま!」
色々にぎわっている中、何か的のようなものを動かしている人たちがいた。
「あの人たちって何してるの?」
「あーあれは的あて大会の準備してるんだよ。ほらあそこ、宿の前に王都から来た人たちがいるでしょ?あの人たちが参加する大会。」
「あの的に何か当てるの?」
「そう、あやかもできる、ファイアーボールとかの魔法を当てたら、得点が入る。そんな感じのルールだったような気がする。」
「うっま!おかわり行ってくる!」
「う、うん」
「それでは皆さん!!これから始めますよ!!今回優勝した人は、魔法石が埋め込まれた、この短剣を差し上げます!!」
「おっしゃー!」「やるぞ!やるぞ!!」「絶対勝つからな!」「あーん?勝つのは俺だ!」
宿の前にいた沢山の王都から来た兵は、ビールのジョッキの様なものを片手に持ちながら、わらわらと歩いていた。
「凄く強そうな人たち。」
「まぁ、そうだろうね。一国の王を守る人たちだから、」
「わりぃ、ちょっと遅くなった。」
「君たちか、リカエルと一緒にいる少年というのは。」
「リカエル、誰?」
ミナリはリカエルに小声で聞いた。
「俺の父さんと一緒に、働いてるんだって。」
「子供の有志を隊長は聞きたがっていたからな。隊長はお前の話を聞いて喜ぶと思うよ。それでは私も大会に参加するので、これで、」
「リカエルのお父さんって、王都の隊長さんなの!?」
「ああ、そうだぜ。いってなかったけ。」
「名前なんだっけ?」
「バートン。最強の騎士だぜ!!」
「リカエルも早くそれ位強くなってよね、まだ戦えないモンスターもいるんだから。」
「そうだな。」
「なんか始まったよ!」
強そうな兵が、色んな魔法で的に当てていた。
「近くに行って見に行こうぜ?」
「うん!」
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大会は魔法を放つ場所があり、そこから10メートル位先に的がある。
もともとその後ろには藁のようなものが重なっていたが、すでに跡形もなくただの土が広がっていた。
大会を見ていると威力が高そうな爆発や、巨大な黒い玉、などから、あやかも使えそうな基礎の小さな魔法で、取り組む人たちがいた。
「さっきのすごくない!?どっかーんって!あやかもあれやってみたくない?」
「あんまり。」
「俺はもっとすげーやつ、やるならやってみてーな!」
「お!さっきの人だ。」
先ほどの細身で手足が長く、筋肉質というより引き締まった男が現れる。その姿は風格からしてほかのものとは違く、歴戦の猛者のようなオーラがあった。
「フラワーフラット」
「え!?花が咲いてる?僕こんなの見たことないよ!!」
「す、すげー!!」
「おー!」
リカエル、ミナリ、その他後ろで見ていた群衆が声をあげた
目を瞬く間に彼の近くには花が咲いた。そこは元々土や砂利のようなものでできた場所だ。
「、、、」
あやかは感動した。
何もなかったはずの場所に、無数の花が咲き、その一つ一つは、赤、青、白木色、緑色、光輝く花、光を吸収するように黒い花であった。
あやかはこの魔法に衝撃を受けた。
「エレメンタルバースト!!!」
その声とともに6色に輝くビームのようなものが、それぞれの的を打ちぬいた。
「うおー!!!!!!!!!!」
歓声の声が響いた。
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「いやー、さっきの凄かったな!6色のでっかい魔法が出てくるし!」
「あれは普通の魔法じゃないよ、あんなのを持続的に出し続けるなんて。」
「私は、あの魔法より、花のほうがすごいと思った。」
「けど確かにあの花は、すごいよね。多分あの花、ヒールと似た感じがしたから周囲の人を強化する魔法なんじゃないかな?」
「そんな魔法もあったのかよ!!」
「だから多分あの人はただものなんかじゃないと思う。」
「ってことは!俺の父さんはもっとすごいってことか!!!」
「ふっ、私は彼がいなければ数千回は死んでいるよ。」
「うぎゃ!!!ってさっきの人だ!」
「君のお父上には、随分と世話になっていてね。、、そうだな、この剣は君が持つといい。私からの、ささやかな礼ということにしておこう。」
「これ!景品だ!!」
「この剣で、いつか君もお父上のような立派な剣士になることだ。、、期待しているよ。」
「ありがとうございます」
「では、また会おう」
「待ってください!さっきの花の魔法、私に教えてください!」
あやかは、走り去ろうとする、彼に声を上げた。
コツコツコツ
その人が、あやかに近づく、そして何かに気づくように胸のあたりを見る。
男はわずかに笑みを浮かべて、背を向けた。
「そのネックレスを大切にしろ。、、決して、他人には渡さぬことだ」
あやかは首を傾げて、そのまま止まった。
そして数歩進んだところで、男は足を止める。
「ふっ、まさか、この私から奪っていくとはな。では、また会おう」
小さな声で独り言を話し、そそくさと宿に歩いていった。
「おっしゃー!!!スゲー剣手に入れたぜ!!」
「リカエル、よかったね!僕もあの人に聞きたいことあったけど、怖くて何も話せなかったよー。」
「、、、」
「じゃあ!お前ら俺の特訓に今から付き合えよ!!」
「いやだ!!」
あやかとミナリは同時に話した。
そして3人は基地に戻った。
あやかはペンダントを見ながら、眉間にしわを寄せて帰った。




