15話・モンスター・ディア
「この薬草を食べたらいいんだよね?」
「そうだな。この薬草、俺がさっき採って来たばっかだから、甘いんだぜ!」
あやかはリカエルが採ってきた青臭い薬草を食べた。
確かに噛み始めは甘かったが、段々と苦くなっていた。
「苦い」
「まー、そうだよな所詮草だし。それはしょうがないな。ておい!吐き出すなよ!」
「これ飲み込まないとだめなの?」
「薬草は飲み込んで効果を発揮するって、父さんが言ってたからな。飲み込まないとダメ。」
「ねぇ、そういえば家の近くに、薬草植えたのってリカエル?」
「あー。あれ、温泉の近くに生えるんだよな。」
「へーそうなんだ」
「まっ、有効活用だな。」
あやかは苦い薬草を涙目でムシャムシャしている
「ねぇ、あの草原に生えてる薬草と、ここの温泉に生えてる薬草の違いって何かあるのかな?」
あやかは草原で同じような草を沢山見ていたため二人に聞いた
「うーん、分かんない。」
ミナリはメモを取り出して確認しながら話した。
「お前って、知らないこともあったんだな、」
「うん、僕は知ってることは知ってるけど、知らないことのほうが沢山あるからね。」
「じゃあ!早速向こうの草原に行こう」
リカエルがそう話し、草原に行く準備を始めていた。
リカエルは木の剣を、ミナリはパチンコを腰に付けた
「あやかは草原にいたからよく知ってるだろ?あそこにいるモンスターとか。」
「ごめん、あんまり知らない」
「じゃあ、僕のモンスター帳見てよ!見た目、名前、特性とか色々書いてるから。」
ミナリはここぞとばかりに、嬉しそうに渡した
「いいの?ありがとう!」
ざっとあやかはページをめくった。最初の方はぎっしりと書いていた。そして何も書いていない綺麗なページがまだ沢山あった。
この草原に出現するのは、スライムや少し太ったイノシシのようなものが主に出現するらしい。
「よし着いたぜ!」
草原を見渡すと、あやかが前にも来ていて、知っていた景色ではあるが、モンスターがいた。
まだ遠いが、あやかは初めてモンスターを目撃した。
「じゃあ、今日は草原の薬草確保と、食料確保のためにボアを狩るのが目的だね。」
「私、何かできる?」
あやかは初めてのことに不安で二人に聞いた
「まーそうだな、どんな感じで俺たちが戦ってるか見てるだけでいいぜ。なんせここら辺を毎日のように探索してるからな。」
リカエルは屈託のない笑顔を見せた。
「あやかにもできることはあるけど、まだ見ているだけでいいよ。僕も最初はそうだったからね!」
「うん!わかった!」
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ディアー村東の草原にて、、、
あやかとリカエル、ミナリは草原を歩いた。
道は無く、少し盛り上がったりして丘のようなものがあったり、小川が流れていたり、そこらじゅうに岩のようなものがぽつぽつと地面から出ていた。
「これかな?」
ミナリは岩から生えている草を見た。
「違かった。」
「なんか見つからねーな、これおかしくねーか」
「何?あれ?」
ミナリが黒い影が奥に走っていくのを見た
「行ってみよう!」
リカエルが走る
あやかとミナリは少し遅れて走る
「リカエルについていけないよ」
「僕も、ついていけないよ」
「リカエルって速いんだね」
「うん、いっつも先頭にいるよ。リカエルは」
二人は先頭を走るリカエルの後姿を見ながら走った
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丘の上にある木の上に着いて、リカエルは様子をうかがっていた。
「ほら、みてみろ」
「あれは、ディアの群れじゃないか!」
鹿のようなモンスターが岩の近くにはえている草を食べていた
「強いの?」
あやかは聞いた
「まぁ、俺たちにかかればそうでもないけど、ミナリ一匹誘い出してくれ」
「わかった」
二人は素早く動き始めた。
ミナリは木に登り、そこからパチンコをシュン!と放った
その狙った個体は一番群れから離れており、一番近くにいた。
ディアの体に当たった、気づいたディアはこちらに勢いよく走ってきた。
ミナリは自分の体を見せつけるように木を降りて丘の上に立った。
それめがけて、ディアが近づく。
そして木の近くに来た時リカエルが木からジャンプして、ディアの首元に相当な力を木の剣で与えた
ディアはバランスを崩して倒れた。
そして動かない、
「すごい、、、」
あやかは感心していた。
「よし、食料ゲット」
ミナリはバックから解体用の物を取り出し、太ももの肉を剥ぎ取り、その肉を布の袋に入れ、バックに入れた。
その姿を見ていたあやかは木の下にいた。日の光が届き熱く。少し陰に入ろうと木の根元にいた。
すると朝食べた薬草と同じものが生えていた
「あっ!あったよ!」
あやかは薬草を彼らに見せた
「薬草あったの!?やったー!」
「おっ!これで今日のノルマはクリアだな。」
その後、ミナリはディアの角について何かスケッチした。それを木の下で、静かにリカエルと二人で見ていた。
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村に戻った3人はアボリカジュースを飲んで一息ついてから、村の中央へと歩き始めた。
理由を聞いても「いいから、いいから」と話すため、あやかは二人についていった。
「なあ、あやか?なんでこの村がディアー村って呼ばれてるか知ってるか?」
「わからない」
「なぜかというとな!宿のばっちゃんが作るディア飯が本気で美味いからな!」
「えー!そうだったのー?」
あやかは驚きを隠せないでいた。
「もー、リカエル、変な嘘つかないで。けどこの宿のね、ディア飯はすっごく美味しいんだよ!」
「食べたい!!」
あやかは、思わずよだれが出た。
「じゃあさ、あのアシリーさんも呼んできてもいい?」
「アシリー?あぁ、あの治療士ね、ぜ、全然いいぜ。」
リカエルとミナリは宿に入る前にそう話し、「呼んできて」と言われた。
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治療士の家に向かうと、へにゃへにゃになった顔をした若い男が出てきた。
その扉を開け、前と同じように奥にある部屋の机に座って何か作業をしていた。
「アシリーさん!」
「おっと、あやか君。今日は何かな?」
「一緒にディア飯を食べませんか?」
「へ!?ディア飯!?いいの!?無料、かな!?」
「はい、リカエルとミナリがディアを倒したんで、その肉で今日食べるそうです。来ませんか?」
「い!イっちゃうーーー!!」
女の声を出していた。
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宿のテーブルには3人の子供と一人のお姉さんがいた。
「今日は、ディアを撃退したってね。どんな感じで倒したの?」
「僕がパチンコでおびき寄せて、」
「そこを俺が木の上から首をばこってやっておしまいだよ」
「意外とあなた達、戦術敵なのね。てっきり肉弾戦で勝ったのだと思っていたよ。」
「あやか君は何かしたのかな?」
「何もしてない」
あやかは答えた
「ふーん」
「おい、おい、お姉さん。そいつはこの冒険チームに入ってまだすぐなんだぜ!ちょっと経ったら、剣を振り回す、強いあやかに変わるんだからな」
「へー、それはたのしみだね。」
「あっ!ディア飯きたよ!」
ミナリが声をあげる
「うわー!久しぶりのディア飯!いただきまーす!」
アシリーは我先にと食べ始めた
「うわ、すげー食べっぷり」
「じゃあ僕もいただきまーす」
あやかは見た。元気に食べる3人を、
お盆の皿に、マッシュポテトのようなものとディアの焼かれた美味しそうな肉があり、味噌と野菜とディアの肉、で出来ているような汁物があるものを、
こんなに美味しそうなものを見るのは初めてだった。
「いただきまーす」
あやかの顔は笑顔だった。




