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盲目治りの私に6年間封眼監禁した王族を絶対に盲目にしてやる  作者: ソルトデーモン
第0章・少女あやか

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9話・草原に浮かぶ褐色の肌

「んっ、んーー」

気持ちのいい風とまぶしい朝日を浴びながら、あやかは背伸びをしている。

そんなことをしているこの場所は、あまり広いとは言えないが窮屈でもない。そんなちょうどいい秘密基地がここにあった。


あやかはリカエルとミナリが朝に出発し、帰ってくるまでは秘密基地にいることになっている。だが二人はまだ時間がかかりそうだった。


「暇だなー」


あやかは扉の方を見た。外からは小鳥の声が聞こえている。


「ちょっとお外でたい」

梯子を下り。外を歩き始めた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


秘密基地からあまり離れないようにしながら、あやかは森の中を一人で歩いていた。今までなら一人で知らない場所を歩くなんて絶対にできなかった。けれど今は違う。自分の前に道がある。木がある。石がある。どこに足を置けばいいのかも分かる。ただ歩ける。それだけのことなのに楽しかった。


「んっ」


しゃがみ込んで葉っぱの上を、小さな黒い虫が歩くのを見つけた。


「虫ってこんな感じなんだ」

指を近づける。虫は急に羽を広げた。


ブーン。


「うわっ!」

あやかは尻もちをついた。


虫はそのままどこかへ飛んでいった。


「いてて」

でも表情には笑顔が浮かんでいる。


あやかはまた歩き出した。しばらくすると、今度は聞いたことのある音がした。


水の音


木々の間を抜けると、小さな川が流れていた。


「うわー……」


あやかは川の前にしゃがみ込んだ。


今まで水には何度も触ったことがあるし、何度も飲んだこともある。流れる音だって知っている。だが、水が流れているところを見るのは初めてだった。透明なものが形を変えながら流れている。太陽の光が当たるたびに、白く輝く。


あやかは手を入れた。


「つめたい」


知っている冷たさだった。なのに目の前にあるだけで、まるで知らないものに思えた。あやかは何度も水をすくい水の冷たさを感じていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


川に沿って歩いていると、木が少なくなってきた。その先には広い草原があった。

人は誰もいない。風が吹くたびに草が同じ方向へ倒れ、また起き上がる。ずっと遠くまで緑が続いていた。あやかは歩いた。気が向くままに。

青い空。白い雲。緑の草。遠くに見える大きな山。そして空には、昨日も見た赤い星が小さく浮かんでいる。あやかはその場に座った。何もせず、ただ眺めた。

風が髪を揺らす。虫が飛んでいる。雲がゆっくり動いている。

全部が動いていた。


今まで頭の中で想像していた世界よりも、この世界はずっと広かった。


「綺麗だなー」


「私はそうは思わない」


「…………。」


「…………。」


「え?」


あやかは横を向き、隣に誰かが座っているのに気づいた。


「うわぁ!!」


あやかは地面を這うように離れた。少女はそんなあやかを見て、少しだけ笑っていた。いつからそこにいたのか全く分からなかった。足音も聞こえなかった。


「びっくりした……。」


「貴方も大変だね」


「……?」


少女は草の上に座ったまま、あやかを見ている。


前に会った時とは違く目を触ろうとしてこない。ただ静かにあやかの顔を見ていた。


「貴方死にたくない?」

風が吹き、草が一斉に揺れる。


あやかは少女の顔をじっと見た。


あやかは少し考えた。


そして何かに気づいたように少女を指差した。白い髪。褐色の肌。見覚えのある顔。


「あっ!」

あやかは指をさした。


「なによ」


「この前の人だ!」


「……今?」


「また会ったね!」

あやかはルンルンと少女へ近づき、ほっぺにほっぺでキスしようとした。少女は人差し指で目を閉じながらも、それを押さえつけた。


少女の目がわずかに開いた。


「貴方……私が何をしようとしたか、覚えていない?」


「覚えてるよ」

あどけなく答える


「なら、なぜ貴方は喜ぶ」


「だって二回も会ったんだよ?」

満面の笑みで話す


「はは!あはは!そうよね!私は貴方と二回会った、確かに私はあなたに2回会った

あはああああ、あーあ。」

狂ったように笑うがすぐ無表情に戻った


あやかは再び草の上に座った。


そして目の前に広がる草原を見た。


「それに私、死にたくないよ。」


「そう」


あやかは空を見上げた。


少女もつられるように空を見る。

「だってね、私この前まで目が見えなかったの。ずっと暗くて、目の前に何があるのか、近くに誰がいるのかとかもわかんないの。

そしたらね、突然目が見えるようになったんだよ。自分が今まで想像してきた世界とは、とーっても違くてね、本当に綺麗なの!」


「ふーん、それじゃあ親の顔も見れたのか?」

少女の口の口角が上がる


「、、、。

うんん、見てない」


「見たいだろ?今まで育ててくれた貴方のお母さん、お父さんの顔が

見たいだろ?」

少女のテンションは高くなっている


「うん、見たい!どこにいるか知ってるの?」


少女は何も言わず、彼女の反応に幻滅したような表情で、あやかの頭をトンと押した。


「まぁ、もう時間だから私は消える。


それと貴方。私と一緒に来ないか?」

「どこに?」

あやかはYESではなくWHEREと質問に質問を返した。


「チッ、言えない」

あやかの眼を見ていた顔を、横に向きながら舌打ちをする


「じゃあ行かなーい。どこかにいくの?」

「はぁ、しいて言うなら貴方も見たことがある場所、、、

それじゃ、強くなってね」

くるんと回りながらキラキラと幻影が消えるようにいなくなった。


あやかは何も不思議なことは起きていないかのように、また草原に寝そべった。


あやかはきれいな星空を見上げていた。


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