018新事実発覚!
『さっきも言ったけど、私が言いたいのは、たった一つだけ。助けてほしい。その言葉に嘘偽りはないの。ここまでは信じてくれる?』
『...まぁ、そのくらいは』
そこは信じないと、話すら始められないし。まぁ、ここまできてヤバイ人とかだと分かったら、切ればいい。そんな感じで話を聞こう。
『私が助けてほしい内容は、佐伯凛から聞いてるとは思うけど、あの穴について。あの穴を対処したいから、お願いしてるの。...あぁ、なんで知ってるの?とか聞かないでね。私は神様だから、これぐらい知ってるの』
『なにも言ってません』
『でも、言う気はあったでしょ?だから先に釘を指しておいた』
....変なところで頭が回るのも、ホントに店長に似てる。
実は生き別れの姉妹とかいうことないよね?...ないよね?
誰に聞いてんだろう、私。
『まぁ、そんなことよりも。..あの穴を開けておくと、大変なことになるのは、あなたも知ってるよね?』
『だいたいは...』
『でも、それだけじゃないの。それには続きがあって、あの穴を開けておくと、時空や空間までもが歪んでおかしくなっちゃうの』
もう、私には正直その手の話は分からない。理解できない。
時空とか空間とか言われても、頭の上にハテナマークが、ポン、ポン、ポンと浮かぶだけ。
そんな私にそんな話をされてもなぁ...。正直、理解のりの字も分からない。
『難しいことは分からなくてもいいの。要するに大変な状況にあるってことだけ分かれば。....オッケー?』
『すっごい大雑把だけど分かった』
『うん、ならいい。次に進むよ?』
そしてまたもや電話越しから、紙を擦る音が...さっきからなに見てるんだろう。重要機密とか?この話の内容に関わる資料だとか?.....まぁ、なんでもいいや。
『それで、あなたの近くでも穴が見つかった。穴の向こうは、まだ人間が文化を築いていない頃。あなたたちでいうところの縄文時代や弥生時代よりも、更に前の時代だと思われる』
『.....』
穴の向こう側が現代だとは思ってなかったけど、まさかそんなに前の時代だっただなんて。
ということは、碧葉ちゃんは私よりも何倍、何十倍、何千倍も年上..てこと?
..これ以上は考えるのを止めとこう。
『そこから現れた一人の少女。彼女はそもそも来れる筈もなかった。しかし、何故か来れてしまった。彼女には名前はなく、でも、あなたの時代にきて、名前をつけてもらった。その名前こそ...碧葉。とうに知ってると思うけど、彼女は時間を飛び越えて来ている』
なんか妙に説明口調。まるで見本を読んでいるか.....
『あの』
『はいはい?なにか聞きたいことでも?』
『....もしかして、なにか読んでます?』
『ギクッ!』
『いや口で言わなくても...』
『ご、ごめんなさい...』
『謝らなくてもいいんですけど、ただなんとなく、そうじゃないかなーと思って聞いただけなので』
さっきから耳元で鳴っていたのはやっぱり紙で、擦っていた音は、話す内容が書かれている紙を探していたから鳴ったんだ。
私が出した資料説は的中してたね。当てた商品として、なにかくれたりしないかなぁ?
『なら良かった...』
『それよりも話の続きを』
私が先を急かすと、彼女は慌てながらも話の続きを話し始めた。..なんか、話と話しが被ってて分かりづらい。
『空いた穴を戻すには、碧葉という不穏物質を戻さなくてはならない。そして穴が開いてから、大量にそちらの世界に来てしまうまでのタイムリミットは、だいたい一週間ほど』
『それはもう』
『知ってる。佐伯凛に教えてもらったことは、もう知ってる。そうじゃなくて、これにはまだ続きがあって』
『続き?』
気付けば私の背中に乗っている碧葉ちゃんは、すぅ..すぅ..と規則正しい寝息を立てながら、眠っていた。
本人がいるところで、その人の大事な話をしてる。けど、その本人はまさか自分の話をしているなんて思ってもいない。そんな状況がいま、出来上がっていた。
『碧葉は帰らないといけない。でも、そうはならない方法があるとしたら。あなたはどうする?』
『....え?!』
『いーーっ!?』
あまりの驚きに私はスマホを強く握りしめながら、大声で叫んでしまった。それに驚いた(自称)神様も驚いてしまった。
『あ、あぁ、ごめんなさい...』
『い、いや。い、いいけど....』
『そ、それでそうはならない方法って...』
電話越しに、ふぅ...と一呼吸置く音が聞こえる。
『落ち着いて。ちゃんと教えるから』
『...ふぅ...』
私も心なしか緊張していたので、同じく一呼吸を置く。
早く、早く知りたいと頭がうるさい。こんなに新しい情報を欲しがるのは、久々。
でも、それは当たり前。だって、碧葉ちゃんが助かるかもしれない方法なんだよ?こうなって当然、じゃない?
『そうはならない方法。難しいことじゃない。至って簡単なんだけど、どうしてそれなのかは、私も知らない。だから、原理とかは分からないから。それでもいい?』
『はい』
一字一字がゆっくりと聞こえてくる。遅く脳の中に入ってくるかのような感覚。どんだけ緊張してるんだ私は。
『そうはならない方法。それは...』
『それ、は...』
『ーー碧葉に恋をさせること』
『............................はい?』
彼女の言ったそうはならない方法。それに対して、私は長い沈黙の末、裏返った声で返答する。
待って待って、どういう....え?
....え?
そのまま見終わって帰られる方。少し待ってください。
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