015一安心。
「うひゃあああぁぁぁぁ!!わ、わぁ?!...ざ、雑ぅ..最後だけ、雑ぅ...」
「あー!!!!...う?...あぅ!」
周りの景色もまともに見れないぐらい勢いよく連れられて、いつ終わるんだろう..と思っていた時に、いきなり止まり、私は景品かのように、パカリと開かれたUFOキャッチャーみたいなものから落とされ、地面に叩きつけられる。
これがまた、地味に痛い。
碧葉ちゃんはまったく怖がらず、勢いよく連れられても、楽しそうに叫んでいる。まるでジェットコースターに乗ったかの如くの楽しみよう。止まって、落とされても、猫のようにくるりと回転して、着地をする。私と違って、運動神経抜群だからなぁ...。羨ましい。
痛むお尻を擦りながら、私は立ち上がり、碧葉ちゃんの元へと向かう。
いまだ満面の笑みで、楽しかった余韻に浸っている碧葉ちゃんの頭を撫でながら、私は周りを見渡して、ここがどこかを考える。
大学のどこかではあるっぽい。部屋の窓から覗いた景色は、大学の外と一緒だった。あと、古代文字みたいな不思議な模様が、部屋の中に書いてあるのは、青大の一室である証拠。
謎の模様というのは、いつ、誰が、なぜ、どうして書いたのか分からない記号のようなもののこと。
先生も教授もそれを気にしないし、私達も気にしない。でも、一回だけ不思議なものを見たことがある。
みんながみんな気にしていないかと言われると、そうではなくて、一部の人からは疑念の目が向けられていたり。前に言った青大の謎の一つという噂があって、調べている人もいる。でも、そういうことをする人はなぜか、気付いたらいなくなっている。
そして、ある日のこと。私がいつも通り講義に向かっていると、前方に謎の模様をじーっと、見つめていた人がいることに気が付いた。
何事もなく、スルーしようとしたその時。そこにいたはずの人が、一瞬にして消えてしまい、姿形も残さず、私の前からいなくなったのだ。
辺りを見回しても、その人はもう既にそこにはいなかった。一体、どこへ消えたんだろう?未だに分からない。
そんなことがあったな~とか思いつつ、ここが青大だということが分かり、一安心。
さて、と。これからどうしようか。
早速、碧葉ちゃんを連れてどこかへ行くのもいいなぁ...でも、だとしたらどこがいいかな?さっきの喜び具合から、遊園地もいいし..水族館に、あとショッピングとか?ご当地グルメの祭典みたいなのもやってたし、そこに行くのも、またいい。
撫でている手を下ろして、碧葉ちゃんを抱き抱える。ホントに軽い。私なんて、最近はかったらまた一キロ増えてたし...特別食べてるわけじゃないのに、どうして?
ここで考えても、そればっかりは仕方ないので、後回し。一先ずは、家に帰って様子見。碧葉ちゃんの意見も、聞けるだけ聞きたいし。
決まったら、と、私は少し張り切って行動を開始した。
碧葉ちゃんをおんぶしながら、スマホを取り出して、寿に電話をかける。突然帰ったら、流石に失礼だし、伝えたいこともあるし。
『....んー?みおりー?どした?』
『あ、寿?ごめん、今日はもう帰るね』
『はいよー。了解。でも、それだけなら電話しなくてもいいのに』
『いや、それ以外にも伝えたいことがあって』
『....伝えたいこと?』
『うん。その、さ。いろいろあって、しばらく出掛けたいんだけど...』
『出掛ける?みおりが?これまた珍しい』
本当に心の底から驚いているようで、声が若干上ずっていた。そこまで驚くことでもないのに...と思いながらも、声には出さず、話を続ける。
『それで、私しばらく開けるから、その....その間、ノートを取ってくれると、嬉しいなぁ...って』
『...うーん。ま、いいよ』
『ホント?!ありがと寿~!』
『でも代わりに、今度、久しぶりに泊まりにいってもいい?』
『泊まりに?いいけど...どうして?いつもだったら、パフェ奢ってーとか、そういうのばっかなのに』
ショッピングに付き合ってー、とかそういうのが来ると思っていたのに、これは意外。
でも、確かに最近、寿と泊まりあったりしてなかったから、良い機会かも。
『...いいの。たまには、ね』
『...ん?ちょっと寿、いま照れてたりする?』
『照れてない』
『えー?でも、なんかそういう感じが』
『照れてないってば。話はこれで終了。じゃあね。また今度』
「え、ちょ、寿?ひさー?....ほ、ホントに切ってる..』
でも久しぶりに寿の照れを見て、ちょっと嬉しい。中学校の時とかは、結構見れてたんだけどなー。いつから、見てないんだっけ?
でも、これで一見落着。あとは帰って、計画を....あれ、なんか忘れてるような...。
~~♪~~♪
電話を切った直後。すぐにまた、電話がかかってくる。誰かと思い、見てみると、そこにはーー!!
「忘れてたー!!!!!」
「うぁ!」
大声をいきなり出したことで、喉も痛いし、碧葉ちゃんを驚かしちゃったので、心も痛い。でも、それぐらいびっくりするようなことを思い出した。
そうだ、そうだった。なんで忘れちゃってたんだろう。というか、この話、さえちゃんがいたときにもしたのに...!!
頭を抱えている私からスマホが落ちる。画面には、店長、と表示されていた。
バイト、忘れてた....。
そのまま見終わって帰られる方。少し待ってください。
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では、また。




