↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Pomegranate II  作者: Uta Katagi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/23

人生に無駄なことはない

 上下が反対のピラミッド…

 詩は、ルーブル美術館の地下に上下が反対になっているピラミッドがあったことを想い出した。通常のピラミッドの底面が上部にあり、頂上が地下にあるピラミッドだ。


 そうか、あれは逆さピラミッドだったんだ。詩がパリ旅行のことを想い出していると、芽依ちゃんが話の続きを語り出した。


 「クフ王のピラミッドが精神を表しているとしたら、そのピラミッドは天空にあると思うの。」

 「天空に?」

 「神々は天空にいるとされるから。」


 「でも、ピラミッドは地上にあるよ。」

 詩の疑問に、芽依ちゃんはこう答えた。

 「あの地上のピラミッドは、天空にあるピラミッドを地上に投影したものなのよ。」

 「あ、そうか!」

 詩は、ここで三大ピラミッドがオリオン座の三ツ星を地上に映したという話を想い出した。


 芽依ちゃんは、話を続けた。

 「そう、ピラミッドは鏡のように天空を映しているの。だとしたら、上下が反転するよね。地上では、天に向かって聳えるピラミッドになるけど、天空では逆さになる。」


 詩は、芽依ちゃんに確認した。

 「つまり、クフ王のピラミッドは、天空にある逆さピラミッドを地上に映したものだということなの?」

 「そう、上下が逆さだからマイナスの符号が付いているのよ。」

 「なるほど、だからマイナスなのか。」


 「体積で考えるとよりわかりやすいよ。」

 「体積で考える?」

 「ピラミッドの大きさは、体積で表されるから。」

 「たしかに、建造物の大きさは体積で表されるね。」

 詩は芽依ちゃんに同意した。あの巨大なピラミッドの大きさを、その積み上げた石の数で表現する人もいる。石の数はピラミッドの体積を表わすからだ。


 詩の納得した様子を見ながら、芽依ちゃんはこう言った。

 「ピラミッドの形は四角推だよね。詩ちゃん、四角推の体積ってどう計算するかわかる?」

 「え、よく覚えてないけど、底面積に高さをかけるのかな。」

 「そう、正確には底面積に高さをかけて3で割るの。」


 「あ、3で割るんだっけ。」

 「うん、ここでも3が出てくるけど、その話はまた後でね。まずは、体積がマイナスになることを説明するね。」


 詩は、学校で学んだ図形の体積の公式を想い出した。立体の体積の知識なんか将来、何の役に立つのかなと思っていたが、こんな時に必要になるなんて思わなかった。詩は、いっちゃんの口癖を想い出した。彼は、よく言っていた。『人生には無駄なことなんてない。』と。


 このときも、そう実感した。彼が亡くなったことも、決して無駄じゃないと私は信じている。実際に、この世界の真理を追究することで、いろんなことを知ることが出来た。きっと、この知識が役立つ日が来るはずだ。人生には無駄なことなんてないから。



参考: Pomegranate I

    第三章探究 段ボール箱の山

    第四章真理 パリ旅行の提案

          ルーブル美術館

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。