逆さピラミッド
クフ王のピラミッドは世界最大のピラミッド。確かにそのピラミッドには他のピラミッドにはない特別な意味があるのかもしれない。芽依ちゃんの話を理解するには、難しい数学の知識が必要だが、彼女の言いたいことは詩にも理解できた。
愛は目に見えないけど、存在している。神社の裏の世界も目に見えないけど、存在している。だから、裏の数字196で表されるクフ王のピラミッドは精神の存在を表していると彼女は言っている。巫女の経験を持つ芽依ちゃんのいうことを、詩は信じてみようと思った。
芽依ちゃんは、話を続けた。
「その一方で、クフ王のピラミッドの隣にあるカフラー王のピラミッドは、物質の象徴だと思うの。だって、二つのピラミッドの底面積の和が太陽の軌道365になるということは、その二つのピラミッドは太陽のおかげで生まれた生命に必要な精神と物質を意味していると思うから。だから、底面積が196のクフ王のピラミッドが精神の象徴なら、もう一つの底面積が169のカフラー王のピラミッドは物質の象徴のはず。つまり、そのクフ王とカフラー王の二つのピラミッドは、私たちが暮らすこの南の面に、精神と物質の両方が存在することを伝えている気がする。そう、二つのピラミッドはこの南の面の真理を伝えている。」
南の面の真理…
詩は、真理の書の南の面の詩を想い出した。
南の面:code11
南の面は生命
植物や動物
魂と物の融合
倫理と法則
この四行詩は、南の面には生命としての植物や動物が存在することを伝えている。つまり、南の面は、私たちが暮らす世界だ。その世界には、精神である魂と物質である肉体が共存している。やはり、合計すると365になる二つのピラミッドはやはり精神と物質の象徴なのだろうか。
芽依ちゃんがそういうのなら、そうなのかもしれないと思う一方で、詩は最初から素朴な疑問を感じたので、思い切って聞いてみた。
「でも、底辺が虚数だったら、その底辺を二乗するとマイナスになると思うの。そう、14i×14iは-196になる。つまり、クフ王の敷地はマイナスの面積を持つことになるけど、マイナスの面積の敷地に建てられたピラミッドって一体、何なの?」
「詩ちゃん、良い質問!」
芽依ちゃんが、そこがこの話のポイントよという顔をした。詩は、結構、難しいことを尋ねたつもりなのに、芽依ちゃんは予めその答えを用意しているようだった。彼女のこの話は、全てを調べ尽くした上での結論なんだ。詩は、プチを抱っこし直して、芽依ちゃんの話を最後まで聞こうと思った。
詩とプチが仲良しにしているその様子を横目で見ながら、芽依ちゃんは語り始めた。
「精神を象徴するクフ王のピラミッドは、実は逆さピラミッドではないかと思うの。」
「逆さピラミッド?」
また新しい言葉が出てきた。一つのことを聞くと、また一つ新しい言葉が出てくる。知識を深めるとはこういうことなのかと詩は感じた。
「うん、逆さピラミッドというのは、上下が反対になっているピラミッド。」
参考: Pomegranate I
第四章真理 虚数とは
南の面
第五章約束 四つの面の意味
第六章終章 13と14
69と96
しめ縄の数字
世界の成立要件




