誕生日プレゼント
「え!このプレートも作ってくれたの?」
「うん、転写フィルムで張り付けてみたのよ。お店で売っているケーキみたいでしょ。」
詩は心のこもった芽依ちゃんのお誕生日ケーキに感激した。
「詩ちゃん、お誕生日おめでとう!」
「本当にありがとう…、私、今日のことを一生忘れない。」
「何を大げさなことを言っているのよ。お外に誘ったのは私だし、このくらいは当然よ。さあ、冷たい内に食べてみて。」
そういうと、芽依ちゃんはタッパーからケーキを掬うための銀色のスプーンを渡してくれた。こういう準備も芽依ちゃんは完璧だ。
「いただきます!」
一口掬って食べてみた途端、甘い生クリームと冷たいいちごの味が口に広がり、思わず声が漏れた。
「あ、美味しい!」
「それは良かった。」
芽依ちゃんが作ってくれたお誕生日のスコップケーキには、スライスされたいちごがスポンジの間に入っていて、瑞々しくてとても美味しかった。お菓子作りも上手なんて、あらためて芽依ちゃんは凄いなと思った。
隣にいるプチも今日はパーティなので、ウエットタイプのおやつの御馳走を貰っている。プチもお皿に高級おやつをたくさん入れてもらって、なんだか嬉しそうにしている。
こうして、大好きな芽依ちゃんと可愛いプチと公園でお誕生会なんて幸せな時間だろう。空を見上げると樫の樹の枝の間から、木漏れ日が注いでいる。まだ夏の暑さが残る日だったが、土の匂いの香る木陰に座っていると、時折、公園の奥から涼しい風が吹いてきて心地良かった。
一口サイズにカットした玉子サンドを口にして、アップルティでくつろいでいると、芽依ちゃんがバッグから赤いリボンで結んだ小さな小箱を出してきた。
「はい!詩ちゃん、お誕生日おめでとう!」
「え!私にプレゼントなの?」
詩がそう言うと、芽依ちゃんが即答した。
「もちろんよ。今日は特別な日だからね。」
「ありがとう!開けてもいい?」
「もちろんよ、開けてみて。気に入ると良いけど。」
詩が丁寧にリボンを解いて小箱を開けると、その中には手のひらサイズの小さなうさぎのぬいぐるみと、ハート形のネックレスが入っているのが見えた。詩はそのネックレスを手に取って目の前にかざしてみた。
「すごく可愛い… 芽依ちゃん、本当にありがとう。」
「良かった。気に入ってくれて。」
詩はネックレスの中心に小さな宝石が付いていることに気づいた。
「これって、もしかして誕生石?」
「そう、サファイヤよ。誠実とか愛情を意味する詩ちゃんらしい石。」
参考: Pomegranate I
第二章伝言 芽依ちゃん




