第五十一話 飯テロ
僕は母が寝た後に自分の部屋に戻る。
お風呂に入って落ち着こうとしたが手の震えが止まらなかった。
怒りと悲しみと自責が入り混じった感情を自分の中で折り合いをつけているが、身体が言うことを聞いてくれないみたいだ。
こういう時は荒療治をするに限る。
「血糖値を爆上げして、とっとと寝るぞ。」
深夜11時に血糖値を上げて、確実に寝るトリビアをこれから披露したい。
必要なものはご飯2合とカップラーメン2個だ。
適当な菓子パンが1個あれば尚良しだ。
これを気持ち悪くなるまで食べる。
以上だ。
ご飯を炊くのには時間がかかるが、幸いにしてパックご飯と保存してるご飯を合わせれば2合は行くだろう。菓子パンがないのが惜しいが、今はこれで妥協するしかないだろう。
カップラーメンにお湯を注ぐ。
三分待つ間にパックご飯を温めないで、砂糖をふりかけ、ただひたすらにむさぼり食う。
パックご飯を1個消費する頃には三分経ってるだろうと、時間を確認せずにカップラーメンの蓋を開き麺をすする。
体感的な話だが、早く寝るのが目的なら早食いをした方が良い。
カップラーメン1個を消費するのに、三分かけてはいけないだろう。
とにかく麺をすすり、砂糖の味がするご飯をひたすら口に運んだ。
全て食べ終わるのに15分もかからなかった。
「やばい、気持ち悪い。」
立ち上がるだけで吐きそうだ。
腹が苦しくて横になりたいのに。
しばらくの間、座るしかなさそうだ。
腹の調子が少しだけ落ち着いた頃、深夜11時43分にもかかわらず、僕のスマホに着信があった。
こんな時間に連絡を寄越すやつなんて、一人しかいないだろう。
メッセージは『ゲーム』という三文字しかなかった。一緒にしようということだろう。
最近は深夜に突然連絡してきて『用がないけど悪い?』と言うだけ言って通話を切るのが彼女のブームであった。
三日連続でされた時にはスマホを叩き割りたくなった。
だが今日はちゃんとした目的があるらしい。
正直に言って断っても良かったが、むしゃくしゃしていた所だからそれもいいかもしれないと思った。




