第四十一話 ゲーセン
僕たちはショッピングモールに到着した。
中にはゲームセンター、映画館、スーパーマーケットなどがあり、ここに行けば大抵のものが揃うといった感じだ。
店の外階段を上り、3階にあるゲームセンターに行く。
「めっちゃうるさいんだよ…。」
確かに僕も初めて行ったときはそう思った。
ゲームセンターを見て回るがあまり彼女の興味を引くものはなかったらしい。
「携帯ショップ見に行こ。」
「よしきた。」
滞在時間は一分未満である。
僕らは、京都の神社仏閣を「せっかく来たんだから」とわざわざ足を運び、価値が分からないくせに、労力に見合った価値があるだろうと思いたいがために、自分の中の「すごい」をなんとか捏造しようとする観光客のような心理で、ここに来た意味を見出そうとしたが、出来なかった。
この心理は貧乏根性とも言う。
それはともかく、やることがない。
スマホで良質なゲームを無料でできるこの時代に、100円を払ってゲームをすることに抵抗があった。
「スマホを見るだけでも楽しいもんな。」
「いや、買うんだよ。」
なるほど、だからショッピングモールなのか。
僕に見せたスマホの画面には蛍光色の緑線が3本あった。
有機ELパネルの故障かもしれない。
このままだと画面が見えなくなるかもしれない。
「何買うんだ?」
「サンダー・◯チャイのミドルハイレンジモデルで、2年型落ちの新品を狙ってるんだよ。」
おいおい、スマホをCEOの名前で呼んでるやつなんて初めて見たぞ。
「そんなもん携帯ショップにあるのか?あるとして、別にそれじゃなくて良くない?」
「◯チャイがアカウント関連の作業を楽にしてくれるからこれがいいんだよ。」
いや、◯チャイがやってるわけではないのだが。
確かにそれは楽かもしれない。
サポート期間も長いしな。
スマホなんて使えればいいんだし。
だが、この時期に2年型落ちの新品を見つけるのは結構難しいのではないだろうか?
「格安SIM会社のモバイルショップの在庫確認をしたら、なんとあったんだよ。」
すごいドヤ顔だ。
褒めると面倒くさいだろうな…。
僕は「最近できた店じゃないかこれ?」とか言って、適当に話を変えた。
そんなこんなで店に着いたが、どうやら取り置きまでやってもらってるみたいで、購入まで30分もかからなかった。
「狙っている」という言い方は自慢するための話の流れを作る方便だったらしい。
「他にも適当に見て回るんだよ。」
見て回るのか…。
こういう時は長くなるが、たまにはいいだろう。
僕たちは3時間ウィンドウショッピングをして適当な時間に帰った。




