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ゴラリ・エージェント  作者: Adrashika
第9章: ET THE AL.
41/43

パート41

— エンカウンタ


真夜中。白い砂漠の砂が風に舞っていた。

空にははっきりと星が見え、この奇妙な夜には闇がなかった。まるで一人一人が自分の光を持っているかのように、砂漠はくっきりと見えていた。


舞い上がる砂がシナの頬に当たる。彼女は目をこすった。

目の前にはユリナが、かなり前から彼女を見つめていた。遠くには誰もいない。二人だけが向かい合って立っている。


「……君がそうか。」


シナの声は風に溶ける。ユリナはただ小さく頷いた。

シナは少し考える。


「私たち……どれくらいここに立ってる?」


その問いにもユリナは反応しない。


その瞬間、シナは気づく。自分は一本の木の下に立っていた。

さっきまでそんな木は存在していなかった。葉は鋭く、触れれば人を傷つけそうなほどだった。シナは怯えながらその木を見上げる。


しかし視線を戻すと、そこに木はなかった。

少し後ろへ下がり、周囲を見渡す。誰もいない……自分以外。


しばらく砂漠を見つめ続ける。


「……何が起きてるの?私はどこにいるの?」


心の中で呟きながら、シナは前へ歩き出す。


少し進んだ瞬間、足元が崩れ、彼女は落ち始める。地面が消え、深い闇へと落下していく。

その時、無数の刃が彼女に向かって飛んできた。


しかしその直前、ツネリがシナをその場から引き離す。シナは意識を取り戻す。ツネリがそこにいた。


そして彼女の視線の先に——魂が凍る光景があった。


そこに“死体”が立っていた。

白い身体、ところどころに広がる緑の菌のようなもの。頭の上部だけに残る白い髪。背中からは刃が突き出している。


「シナ、今すぐ逃げろ……!」


ツネリはそう言って前へ出る。


次の瞬間、血しぶきが飛び散った。ツネリの顔にかかる。

彼の手首は切断されていた。


シナは叫びかけるが、口を押さえて声を殺す。

ツネリはなおも同じ言葉を繰り返す。しかし今度は顎ごと切り落とされた。


シナはその場から必死に逃げ出す。

ポケットの中の携帯が鳴っていた。


一方その頃、マヨラはツネリに電話をかけていた。しかし応答はない。

マヨラは電話を切り、車のスピードを上げる。タガヤも同乗していた。


そのタガヤにも妻から電話が入る。


「今ちょっと立て込んでいる。後でかけ直す。家にいてくれ。」


そう言って電話を切る。


一方アラシヤマでは、テイシが地面に倒れていた。頭から大量の血が流れ、まだ息はある。

意識を取り戻し立ち上がろうとするが、激しい痛みに再び倒れ込む。


「警察の動きはもう遅い。アラシヤマは封鎖され、警備員まで入れ替えられている……」


タガヤが説明している最中、道路を横断した瞬間——

横からトラックが突っ込んできた。


車は道路下へ転落し、激突する。


運転手はトラックを止め、救急を呼ぶ。


マヨラは意識を取り戻す。シートベルトのおかげで致命傷は免れたが、重傷だった。

口から血が流れる。


横を見ると、タガヤの姿がない。衝突の衝撃で車外へ投げ出されていた。

彼は岩の地面に頭から激突し、大量の血を流していた。動けず、ただ苦しむだけだった。


マヨラは車から出ようとするが、ロックが壊れて開かない。


「タガヤさん……!」


何度も呼びかける。


ようやくドアを壊して外に出た時には、彼はすでに息絶えていた。

マヨラはその場に座り込み、震えながら後ずさる。


その時、運転手が近づいてくる。


マヨラは駆け寄り、状況を説明しようとする。


「俺たちはあの場所から来たんだ……そしてトラックが……見たんだ……」


言葉にならない。


その瞬間、地面に一滴の涙が落ちる。マヨラの涙だった。


運転手は遺体を見て目を閉じる。


やがて救急車が到着する。

マヨラは車を止め、別の車に助けを求める。


「アラシヤマへ行けますか?」


運転手は頷く。マヨラは乗り込む。


一方、救急隊は遺体を運び始める。

運転手は状況を説明し、もう一台の車に少年が乗って行ったことも伝える。警察へ連絡が入る。


マヨラは車内で頭を押さえていた。

そして突然、携帯を取り出す。


「マスターに連絡しなければ……」


その頃、シナは走り続けていた。息が乱れ、倒れる。

顔を上げると——


そこにゴラリが立っていた。

その目には、シナ自身の姿が映っていた。

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