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ゴラリ・エージェント  作者: Adrashika
第五章:血の起源 — ゴラリ
24/35

パート24

今日のパートは、アクションよりも「思考」に重きを置いています。

フラダは初めて、自分以外の誰かが抱く「恐怖」を目の当たりにしました。そして、その恐怖を利用するという決断を下したのです。

それが正しいのか、それとも過ちなのか――おそらく、今の彼にとってそれはもう重要ではありません。

もしあなたが彼の立場だったら……あなたなら、どうしますか?

集結 (To Gather)

「よく考えろ、フラダ。これからの数日、数ヶ月で、お前の仕事に対する『もんめ』の蓄えも増えるはずだ。それでも、本当に辞めるつもりか?」

主人がフラダに問いかける。フラダはしばし主人を見つめ、静かに答えた。

「ご自愛ください。ここでの私の役目は終わりました。これでおいとまさせていただきます」

そう言い残し、フラダは店を後にした。市場は活気に溢れ、店々は家族連れの人々で賑わっていた。

(私は正しい選択をしたのだろうか? 今が、その時だったのか?)

自問自答しながら、彼は歩き続けた。

(信頼できる者たちを集めなければならない。寺院の者たちに相談すれば、自分に災いが降りかかるだろう。どうすればいい? あの夜、私は震えていた。一人だったからだ。恐怖を一身に背負えば、誰だって足がすくむ…。だが、誰かと共にいれば、その恐怖は分かち合い、和らげることができる。それでも、恐怖が完全に消えることはないのだが…)

フラダが独り言を呟きながら歩いていると、突如、右側から一人の男が彼を突き飛ばして走り去った。その男は、誰かを手にかけた殺人犯だった。数人の追っ手がその後を追っている。フラダは一瞬驚いたが、そのまま歩き出そうとした。しかし、ふと何かが脳裏をよぎり、足が止まった。

(もし、罪人つみびとたちを利用したらどうなるだろうか? いや、そんなことは間違っている。私は正義のために戦おうとしているんだ。しかし……今の私には、この道しか見えない……)

彼は振り返った。群衆の目は逃走する男に向けられていたが、誰一人として彼を捕らえようとする勇気はなかった。人々はフラダから遠ざかっていき、周囲にはひそひひそ話(囁き)が響き渡った。

殺人犯は死に物狂いで逃げていた。追っ手も速度を上げていく。だが、古くからの格言にある通り、逃げる者には百の道があっても、追う者にはただ一つの道しかない……。

フラダは走り出した。数人の視線が彼に向けられる。

「奴を捕まえなければならない。そして、奴らをこの場所から引き離すんだ……」

心に誓い、フラダは男の背中を追った。視界には捉えていたものの、人混みに阻まれ、ついにその姿を見失ってしまう。

「遅すぎたか……」

彼は冷たく、か細い声で呟いた。一度は背を向けて歩き出したが、まだどこかで奴が捕まっているのではないかという一縷の望みを捨てきれなかった。少し歩いて、彼は考えに沈んだ。そして、拳を強く握り締め、再びあの罪人を追って踵を返した。

「分からない……だが、私にはもう、他に道がないんだ……」

呟きを残し、彼は人混みの中へと消えていった。

一方、ユリナはいつものように仕事に励んでいた。しかし、その顔から笑顔は消え、まるでフラダと共にどこかへ行ってしまったかのようだった。そこへ、母親がやってきた。

「あら、そんなに根を詰めないで。たまには休みも必要よ。さあ、来なさい。お父様と大事な話があるの」

「はい、今行きます」

ユリナは仕事を途中で切り上げ、母の後に続いた。両親は並んで座り、彼女を待っていた。

「座りなさい、ユリナ」

父の言葉に従い、彼女は腰を下ろした。

「ユリナ、実はな、お前のために良い縁談を見つけた。江戸に住む男だ。きっと幸せになれる」

ユリナは呆然と立ち尽くした。冷や汗が全身を伝う。心の中で叫んでいた。

(なぜ? でも……私はフラダと約束した。今はまだ話せないけれど、だからといって愛する人を失いたくない……)

父が異変に気づいた。

「どうした、ユリナ? なぜそんな態度をとるのだ。今まで私の言葉に黙り込むことなどなかっただろう」

彼女は震える声で絞り出した。

「私は……その……」

言葉が見つからず、ただ許しと時間を請い、その場を去ることしかできなかった。

「あの子はどうしたのだ?」

「私たちの娘は聡明です。自分の将来を真剣に考えているからこそ、時間が必要なのでしょう。私も昔、時間を求めたものですわ」

両親はそう話し合っていた。

その頃、フラダはかなり歩き回ったが、いまだにあの罪人を見つけられずにいた。

(どこへ行った? 人々も追うのを止めたというのに……逃げられたのか? いや、弱気になるな。冷静になれ、心を律するんだ)

自分と戦いながら、彼はある集落に辿り着いた。周囲では、人々が家の修理に追われていた。もうすぐ雨が降るから、その前に直してしまおうという会話が聞こえてくる。フラダは一般人のように振る舞いながら、慎重に歩を進めた。逃げ出したい衝動を抑え、思考を張り巡らせる。この辺りはスリや泥棒が蔓延る危険な区域だった。

その時、彼の目が鋭く光った。集落の前で、誰かを説得しているかのように立ち尽くすあの男がいた。

(今動けば、捕まるのは私の方だ。ここの連中に切り刻まれる。奴らは見ていないようで、皆こちらを伺っている。まずは静かに奴の後をつける……それだけだ)

男が動き出し、フラダもそれに続いた。男はフラダを不審に思い、速度を上げる。

右へ曲がり、左へ折れ、何度も路地を変える。

(何を企んでいる? このままでは奴の術中にはまり、命を落としかねない……)

フラダは立ち止まり、集落のそばに腰を下ろした。その時、追っ手たちが集落になだれ込んできた。

男は狼狽し、逃げようとした拍子に転倒してしまう。

「私が助けてやれるかもしれない」

座ったまま、フラダが声をかけた。

「ここから逃がしてやれる。自分が賢いと思っているなら、それは捨てろ。逃げ切れると思うな。お前を救えるのは……私だけだ」

その言葉に、男の心に迷いが生じた。フラダは男の弱みに付け込んだ。正解か不正解かは分からない。

(思った通りだ、奴は私の言葉に乗っている。この辺りの地理など私も知らないが、奴を手に入れるには、この弱みを握り続けるしかない……)

フラダが思考を巡らせていると、男が口を開いた。

「わかった……あんたに従う。こいつらに捕まったら、命はない。頼む、連れて行ってくれ……何でも言うことを聞く」

フラダは確信した。最初の一歩を手に入れたのだ。男はフラダの元へ歩み寄り、立ち上がるために手を差し出した。

今回も、言葉を分かりやすく整えてお届けしました。

更新が少し遅れてしまったこと、お詫び申し上げます。

私の物語に皆さんの大切な時間を割いてくださり、心から感謝しています。本当にありがとうございます。

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