49追っかけ
三日後、大輔が家に帰ると母親が手を組んで待ち構えていた。
母「雪ちゃんが部屋にいるわよ。なんか……最近よく来るわね」
大輔「別にいいじゃん」
母「ちょっと待ちなさい!あなた達……まさかとは思うけど」
大輔「何にもないよ!」
母「……そうよね。あんたみたいなモンにね」
大輔「ソレが母親の言うことか……」
大輔が二階に上がって部屋に入ると、雪がいた。
大輔「はい、頼まれたCD」
雪「ありがと!はい」
大輔「お金なんて要らないよ」
雪「誰があんたに渡すって言った?これは兵藤さんに渡して。私が貴方のファン第一号だって」
大輔「……分かった。渡しとく」
そう言って、雪からお金を貰おうとした。すると、母がドアを開けて大輔の手を払いのけた。
母「雪ちゃんに触らないで!」
大輔「な、なんだよ。いきなり」
母「雪ちゃん、息子はねぇ思ってるより全然駄目な息子なのよ?分かってる?」
雪「おばさん、そんな自分の息子に対して……」
母「おば……お姉さんはね貴方のことを心から心配して言ってるのよ。ほら、ここ見て」
そう言って引き出しを開けた。しかし、中には何も無かった。
母「あ、あれ……中にはアイドルのグッズが溢れかえって……」
大輔「……売ったよ!さあ、もういいだろ」
そう言って母親を部屋から締め出した。
雪「売ったって……何で?あんなに大事にしてて気持ち悪かったのに」
大輔「握手会で人を集めるために使っちゃっんだよ」
雪「もしかして……私達のバイト代も?」
大輔「しょうがないだろ!それしか無かったんだから」
雪は少し黙っていたが、やがてチョット笑顔になった。
雪「なんか……少し見直した」
大輔「えっ?」
雪「……というより、見損なわなかったかな」
大輔「何が?」
雪「いいの!」
そう言って、大輔をコツンと叩いた。すると、再び母親がドアを開けて入ってきた。
母「雪ちゃん、騙されちゃいけない。息子はねぇ……」
大輔「……ババァ!」
母「ば、ババァですって?私に向かってその言葉は発したの?聞いた雪ちゃん?この親不孝モノの言葉を!大輔、貴方は鼻からスイカ入れたことある?」
大輔「何の話だよ!」
母「私はそれぐらいの痛みを伴ってあんたを産んだのよ!その私に向かってババァですって?」
大輔「雪、君はとりあえず帰れ。このババァとは長くなりそうだから」
大輔は雪を早々と家から帰らせて母親と大げんかになった。その声は夜が明けても止むことは無かった。




