47追っかけ
大輔、雪、兵藤はスタジオに着いた。兵藤が受付で予約している時、一人の男が雪に肩を叩いた。
佐藤「雪!こんな所で会うなんて、やっぱり俺たち運命で結ばれてるんだね」
雪「げっ……佐藤くん。な、何でここに?」
佐藤「いや、実はね……今度のライブにレコード会社の人が見に来てくれる事になってね」
雪「そうなんだ。おめでとう」
佐藤「俺としては音楽ってのは趣味でいいって思ってやって来てたんだけどね。ほら、音楽でお金を稼ぐと純粋に楽しめなくなっちゃうし。でもまあこの才能を世間が埋もらせてはくれないんだよね」
雪「……」
兵藤「凄い凄い!プロデビューするんですか?」
佐藤「あっ、雪の友達?まあ……才能だよね」
兵藤「私も音楽やっててコレからちょっとでもうまくなる為に練習する所なんですけど、良かったらお手本に一曲聞かせてもらえませんか?」
佐藤「しょうがないなぁ。一曲だけだぞ」
兵藤「やったぁ!じゃあ、こっちの部屋なので」
そう言って兵藤は佐藤を部屋へ案内した。大輔と雪も戸惑いながらもその後について行った。佐藤は気持ちよさそうに熱唱し始めた。
兵藤「歌い過ぎよ……」
佐藤の歌が五曲目に突入した時にイライラした様子でつぶやいた。最後の曲は勝手にアンコールする程佐藤は熱唱した。
兵藤「凄い!やっぱりプロデビューするって凄いんですね!」
佐藤「はぁ、はぁ……ま、まぁね。君は歌わないの」
兵藤「私の曲なんてまだまだ未熟で……とても佐藤さんに聞かせられるモノでは」
佐藤「まぁいいから歌ってみてよ。悪い所はちゃんと指導するから」
兵藤「分かりました……じゃあ」
そう言って兵藤は微笑みながらギターを弾き、歌い始めた。3分後、佐藤の顔からは笑顔が消えていた。
兵藤「どうでしたか?是非ご指導お願いしたいんですが」
佐藤「うん……いや、ちょっとまだまだ過ぎて指導出来る所が無かったね。もっと練習しておいで……あっ俺はもう行かなきゃ。じゃあ」
そう言って逃げるように去って行った。兵藤は雪と大きくハイタッチした。




