33追っかけ
大輔は募金活動が終わった後、酒井について行った。すると、一軒の家に着いた。
大輔「ここにいるの?」
酒井「うん……」
大輔「もう一回確認するけど、本当に作曲出来る人なの?」
酒井「うん。プロじゃないんだけどね」
大輔「まあ……そうか。まだそれがいい曲かどうか分からないんだもんな」
酒井「いや、出せば絶対に売れると思う……」
大輔「えっ!そんなにいい曲作るの?やったぁ」
酒井「でも……」
大輔「でも?」
酒井「……まあいいや。とりあえず入って」
そう言って、インターホンを鳴らした。3回ほど鳴らしたが、一向に出ないので酒井はため息をついて、ドアを開けた。
大輔「えっ、いいの?」
酒井「いいの!待ってたら一生入れないんだから」
そう言って玄関を上がり、部屋のドアを開けた。すると、髪がボサボサで虫眼鏡みたいなメガネを掛けた女の子がヘッドホンで曲を聞いていた。酒井は再びため息をついて、その女の子のヘッドホンを外した。
酒井「彩女、この間話した人を連れて来たよ!あっ、こちらは兵藤彩女って言って私の友達」
兵藤「ああ、あなたが大輔さん?ふーん……」
そうジロジロと大輔を見た。
大輔「あ、あの!実は……」
兵藤「話は理子から聞いてるわ。イイわよ、あげる」
大輔「ほ、本当ですか?」
兵藤「ただし、一つ条件がある。私が納得するような歌詞を作ること……それが条件」
大輔「わ、分かりました。あっ、もう一曲すでに出来ている歌詞があるんですけど」
兵藤「見せて」
大輔は嬉しそうに歌詞を取り出し、兵藤に差しだした。数秒後、その紙は兵藤にビリビリにその紙を破られていた。
大輔「は、はあぁぁ!一週間掛けて……」
兵藤「こういうクズ以外ね」
酒井はチラリと大輔を見ると、その目には涙がこれ以上無いほど溜まっていた。




