16追っかけ
亮太もまた父と母とご飯を食べていた。
亮太「と、父ちゃん!話があるんだ」
父「なんだ?」
亮太「これ……」
おもむろに吉羅里佳の握手会のビラを出した。
翌日
亮太「そして、熱い答えが帰って来ましたよ」
大輔「言うな……その腫れた顔を見れば想像はつく……大変だったな」
亮太「でも、妹と母さんはやってくれるって」
大輔「そうか、ありがとうな」
亮太「大輔さんの為にやってるんじゃありません。吉羅里佳の為です」
大輔「そう……だな。でかした!」
亮太「いよいよ明日ですね。やれる事はやりました。あとは、どう出るか……」
修「神のみぞ知るってやつですか……」
大輔「明日せめて1500人は来ないともう無理だろうな……」
翌日、栄駅では人でごった返していた。
亮太「すごいすごい!こんなにいっぱい人来てるよ。初日の10倍くらい来てる」
修「これなら……もしかしたらコレならいけるかも。届くかも」
大輔「……」
大輔はただ険しい表情でひたすら人を数えていた。握手会も終わり、酒井、雪が得意気に近づいてきた。
酒井「どう?これだけ集まれば文句ないでしょ」
雪「私の方もいっぱい来てくれてたわよ。さすが私」
大輔は枯れ果てた笑いを返して、お辞儀した。
酒井「な、何よその嬉しくなさそうな表情は?」
雪「言っとくけど、こんなに集まったのは奇跡に近いんだからね!」
大輔は思わず地面に顔を伏せた。
大輔「足りない……」
酒井「えっ……」
大輔「手長育成基金も、雪の友達も動員してくれたのは分かってる……修の両親も、亮太の妹、母親も……でも……800人だった」
雪「でも……2週間合わせて250人だったんでしょ?大したもんじゃない。少しぐらい胸を張っても……ほら、立ちなさいよ!」
大輔「うう……ううう……」
そのまま泣き始めた。
亮太「だ、大輔さん……」
修「た、た、立って下さい!次の作戦を考えましょうよ!」
しかし、大輔はその場でひたすら泣くだけだった。
握手会の帰り、雪と酒井は帰りの電車が一緒だった。
酒井「あいつ……何て失礼なやつ!せっかく人を動員してあげたのに」
雪「そうですよね……私だって、どんなに大変だったか」
酒井「……」
雪「……」
酒井「泣いてたね、あいつ」
雪「……うん。人って葬式以外であんなに泣く事あるんですね」
酒井「あーー!もう、しょうがないな!」
雪「……ですね」




