11追っかけ
十万円を手にした3人は再び栄駅周辺を歩き回った。
亮太「大輔さん、さっきから一時間以上歩き回ってますよ。一体何を探しているんですか?」
修「あっ、まずい!隠れましょう」
大輔「どうした?」
修「手長育成基金の奴らが……」
亮太「ほ、本当だ!まずい」
大輔「やっと見つけた」
そうつぶやき、手長育成基金のボスである酒井の方に近づいて行った。
修「ちょちょっと!一体何をするんですか?」
修と亮太は必死に止めようとするが、それを振り切って目の前に立った。
酒井「……何よ。まさかまたここをどけって言うんじゃ……」
大輔は突然、手のひらと頭を大地につけた。人はこれを土下座と呼ぶ。
酒井「や、やめてよ。何をいきなり!人が見てるじゃない」
大輔「誠意を見せるためにはこれしか無いんだ。あなた達にお願いがあります」
酒井「い、嫌よ!誰があなた達の頼みなんか。とにかく土下座辞めなさいって」
酒井は必死に土下座をやめさそうとするが、大輔は一向にやめなかった。酒井はこの場からの離脱を試みるが、大輔は酒井のカバンを掴んだまま離さなかった。
酒井「は、離しなさい!」
大輔「離しません。話しを聞いて貰うまでは離す訳にはいきません。タダでとは言いません。ここに10万円あります。コレを全額寄付します。だからどうか……どうか……」
酒井「分かったわよ!話しを聞くから。と、とりあえず場所を移動するわよ」
酒井は強引にカバンを引き離して、大輔を連れて最寄りの喫茶店に逃げ込んだ。亮太と修、そして手長育成基金の人達はその光景を茫然としたまま見送った。




