独自のゲーム論
## GIANTGRAM2000 全日本プロレス3 栄光の勇者達
### ― “リアルとは何か”をめぐるゲーム論と、前田日明という思想家 ―
今まで書いてきたものも、十分に偏った持論と言えるが、
さらに独自のゲーム論を展開したい。
私がそう思っているだけで、正しいことを書いているつもりはない。
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## バーチャファイターは“嘘が少ない”
バーチャファイターは、嘘が少ない優れた、洗練されたモーションで動く。
では、バーチャファイターがリアルなのか?
実戦のシミュレーターなのか?
### 全くリアルではない。
シミュレーターにもなっていないと思う。
- 関節を極められても、すぐ立ち上がり全力で殴る
- 脳天から落とされても、すぐ立ち上がりサマーを打つ
- 空中の敵を殴ったり蹴ったりしてコンボがつながる
どう考えてもリアルなものを目指していない。
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## 寿司の例えで言うなら
「この寿司は、生きている魚を食ってるようでリアルだ」
と言っているようなものだ。
海で泳いでいる魚をそのまま食べても美味しいわけがない。
ちゃんと調理しないと食べられない。
美味しいのは寿司であって、
“素材そのもの”ではない。
バーチャファイターはリアルだから面白いのではなく、
バーチャファイターとして作っているから面白い。
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## “リアルなら面白い”という誤解
いまだにこの世の中は、ゲームの評価や価値が低い。
- 所詮ゲーム
- 本物ではない
- リアルなものが面白い
- リアルにしないとつまらない
そういう価値観が根強い。
しかし個人的には、
どんなにリアルな最高の素材を使っても、
ゲームとして面白くできなければ、それはクソゲーでしかない。
リアルなシミュレーターにすると面白くなるのではなく、
バーチャファイターとして作っているから面白い。
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## 私が尊敬する人、前田日明
私の尊敬する人に、前田日明という人がいる。
失礼な話になるかもしれないが、
プロレスラーとして尊敬しているわけではない。
もちろん技術も実力も一級品で、試合内容も好きだ。
好きなプロレスラーではある。
ただ、私は格闘技経験もなく、痛みを感じたこともない。
自分が経験していないことで尊敬するのは、どこか嘘くさい。
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## 前田日明を“人間として”尊敬する理由
それは、ある仕事を見て思ったことだ。
### 総合格闘技 アストラルバウト2
1994年2月25日にキングレコードから発売された、
スーパーファミコン用のスポーツ格闘アクションゲーム。
RINGSが全面協力しており、
その特色が色濃く反映されている。
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## RINGSのキャッチ・アズ・キャッチ・キャンの再現
前田氏が率いたRINGSは、
実戦的なサブミッションの攻防を重視していた。
アストラルバウト2では、
- ボタン連打ではなく
- コマンド入力によるポジションの取り合い
- 関節の「仕掛け」「切り返し」
- 極めのプロセス
これらをゲームに落とし込んでいる。
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## U系の思想の具現化
UWFやRINGSでは、
関節技の「仕掛け」「カウンター」の理論が確立されていた。
アストラルバウト2のシステムは、
相手の技に対して正しいコマンドを入力して裏をかくという、
U系ならではの“技術戦”を再現している。
もちろん前田氏自身がプログラムしたわけではない。
しかし、彼の持ち込んだ格闘哲学やこだわりは、
当時のゲーム業界の常識を打ち破った。
現在のリアル志向の格闘ゲームにも通じる、
偉大なコンセプトメイキング
だったと言える。
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## 前田日明は“ゲームを真剣に作った人”
彼はゲームを素人の遊びだと見下さず、
限られた環境で最大限リングスの魅力を伝えるために全力を尽くした。
プロレスラーとして一流だが、
ゲームデザイナーとしても一流の才能を発揮した。
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## アストラルバウト2は中途半端ではない
私は大した人間ではないが、
ビデオゲームは長年プレイしてきた。
中途半端な子供だましの作り込みくらいは、
自分でプレイしてわかるつもりだ。
アストラルバウト2は中途半端ではない。
関節の取り合いの緊張感が、ゲームながらに体験できる。
操作は難しいが、操作性が悪いわけではない。
妥協のない完成度を感じた。
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## ジャイアントグラムも“真剣に作られたゲーム”
ジャイアントグラムでも、
全日本プロレスの本物の選手たちがモーションセンサを付けて
モーションデータを提供してくれている。
ジャイアントグラムは、
面白いゲームとして作られている。
真剣にゲームを作る者たちが仕上げた、
最高のゲームだ。
今回ばかりは、相当な暴論になっていることを覚悟している。
しかし、これを書いたことを、後悔はしていない。




