3 王都からの使者
家に帰った俺は母ちゃんに説明をした。
「ってなわけでわけわからん職業になった。」
「そうかい。でもまだ何もわからないんだろう?あたしはバクに父ちゃんみたいにダンジョンから帰ってこないなんてなって欲しくないから冒険者になんてならなくていいと思っているけどね。」
「でも俺の夢だ!」
「わかってるよ。あたしはバクが元気で生きていてくれたらそれでいいって話だよ。」
「わかってるけどさ。」
「・・・昼飯食べちゃいな。今日は手伝いはいいよ。ゆっくり過ごしなね。」
「ありがと。いただきます。」
母ちゃんの作った昼飯を食べる。
今後のことを考えるが、うまくまとまらなかった。
食べ終わったころ、スライが訪ねてきた。
「村長が二人で来てくれってよ。」
「豪剣士様がわざわざ呼びに来たのかよ。」
「やめろよ。俺は別に豪剣士になりたくてなったわけじゃねぇんだ。」
「俺はなりたかったけどな!ちょっと待ってて。」
母ちゃんにごちそうさまの言葉と皿を渡して村長のところに行くことを伝えて家を出る。
「王国からなんか指示でもあったんかな。」
「わかんないな。俺はバクを呼んで来いって言われただけだから。」
「そっか。そういや豪剣士って能力やっぱすごいの?」
「わかんね。見てみる?」
「見られるの?」
「うん。プレート貰っといたから。」
「俺貰ってねぇ!」
「知らねぇよ。後で貰えよ。」
「そうする。」
スライ 豪剣士 レベル1
HP 200/200 A+
MP 100/100 E
攻撃 200 A+
防御 200 A+
速度 150 B
魔力 100 E
スキル 豪剣技
「ナニコレ?ツヨスギナイ?」
「そうなのか?」
「そうだよ!しかも+ってなんだよ!Aまでじゃねぇのかよ!」
「一般的にはそうらしいな。更に上もあるらしいぞ。」
「まさか俺のZも!?」
「いや、Zは聞いたことないけどさらに上にSってのがあるらしい。」
「なんだよ期待させんなよ。」
「お前が勝手に期待しただけだろ。」
そんな話をしながら歩くと村長の家につく。
「二人ともよく来たな。」
「で、何のようだよ。」
「やさぐれるな。王都の騎士団がわざわざ二人に会いに来るらしい。」
「俺も?スライだけじゃなくて?」
「バクもだ。何しろ初の職業だからの。」
「まじ?俺も冒険者に?」
「わからん。それも含めてってことだろう。何せギルドも国のシステムじゃからな。国に認められていない職業でギルドに所属することはできないってことじゃろ。」
「じゃあ可能性が?」
「まぁあるんじゃないか?」
「っしゃー!やってやるぜ!」
「お前はそんくらいのほうがらしいよ。」
「どういう意味だよ!」
「元気ないとらしくないってことだよ!」
「そうじゃな。バクは元気がないとな。」
「いつ来るんだ?」
「すぐ向かうってことらしいから夕方には付くんじゃないか?王都の魔道具はすごいと聞くからな。」
そんなこんな雑談をして二時間くらいたったところで外がざわつく。
村長とスライと三人で外に出ると騎士団が付いたところだったようだ。
三人で歩いて騎士団のところに向かう。
「よくぞお越しになりました。」
「村長か。騎士団副団長、フラムベルクだ。」
「わざわざ遠くからありがとうございます。こちら後ろにいますのが豪剣士のスライとリスターターのバクでございます。」
「ほう。スライとやら前に。」
「はい。」
スライが前に出ると剣が投げられる。
「立ち合おう。こい。」
「・・・。」
スライは剣を持つと副団長に向かっていく。剣なんて持ったことないはずなのに様になっていた。
「おっ!早いな!」
副団長はスライの一撃をいなす。更に一発振ると今度は受ける。
「力もすごいな!これでレベル1か!よし!やめ!」
スライが剣を返す。
「うむ。強いな。騎士団でも冒険者でも好きな方を選んでくれ。騎士団に入るなら俺が直々に鍛えてやる。」
「あ、ありがとうございます。考えさせていただきます。」
「うむ。騎士採用試験は一か月後だが、お前なら免除だ。それまでに返事をくれ。次。」
「よろしくお願いいたします!」
「・・・うむ。」
「はい!」
剣なんて持ったことがなかったがギルドの人たちを見ていたんだ。俺だってやれる!
剣を構えた瞬間、視界は宙を舞っていた。
「よくぞお越しになりました。」
「村長か。騎士団副団長、フラムベルクだ。」
「えっ。」
「どうしたんだバク?」
「いや、え、スライ、さっき。」
「わざわざ遠くからありがとうございます。こちら後ろにいますのが豪剣士のスライとリスターターのバクでございます。」
「ほう。スライとやら前に。」
「あ、はい。」
なんだこれ。さっきやっただろ。
「うむ。騎士採用試験は一か月後だが、お前なら免除だ。それまでに返事をくれ。次。」
俺の番か。なんだこれ。
「よろしくお願いします。」
「・・・うむ。」
剣を構え、副団長の方を見る。
姿がぶれたかと思うと剣を持ったまま宙を舞う俺の手首から先と一緒に俺の視界も飛んでいた。




