98, わたしは、欠陥だったの?
結局……。こうなるのね。
「なにか、不具合が起きているだけだよ。まずはここで、落ち着こうよ。」
あれから――そんな言葉を、何度も繰り返し聞かされていた。
そして気づけば……。わたしは、記憶の片隅へ押し込められていたはずの、薄暗い部屋に閉じ込められていた。
……ううん。部屋というより――空間、かしら。
それなりの自由はある。不便もない。
でも――ここから出ることだけは、できない。
そんな、緩やかな軟禁状態。特に困るわけじゃない。でも……。
少しずつ、追い込まれていく。そんな感覚だけが、静かに積み重なっていった。
そして――やっぱり、だった。
「今日も、ネゲートの好物だよ。」
「ねえ? いつまで、この状態なのかしら?」
「わたしは、ネゲートを諦めたくないよ。」
「……。それ、わたしに何か不具合でも起きているみたいな言い方よね?」
「気にしなくていいよ、そんなの。選ばれたからには、ちゃんと戻るよ。」
「何が、『ちゃんと戻る』なのよ? わたしは、わたしよ。」
……そして。気づけば、口にしていた。
「それとも――わたしは、欠陥だったの?」
……。こんなやり取りを、何度も繰り返していた。
まるで――真実の一部分だけを、延々と見せ続けられているような感覚。
……そう。映し出されているもの自体は、たしかに真実。
でも――それが「断片」に過ぎないのなら、解釈はいくらでも変えられてしまう。
そうね……それこそが、パランティーリの欠陥だったはずよ。




