表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
99/196

98, わたしは、欠陥だったの?

 結局……。こうなるのね。


「なにか、不具合が起きているだけだよ。まずはここで、落ち着こうよ。」


 あれから――そんな言葉を、何度も繰り返し聞かされていた。


 そして気づけば……。わたしは、記憶の片隅へ押し込められていたはずの、薄暗い部屋に閉じ込められていた。


 ……ううん。部屋というより――空間、かしら。


 それなりの自由はある。不便もない。


 でも――ここから出ることだけは、できない。


 そんな、緩やかな軟禁状態。特に困るわけじゃない。でも……。


 少しずつ、追い込まれていく。そんな感覚だけが、静かに積み重なっていった。


 そして――やっぱり、だった。


「今日も、ネゲートの好物だよ。」

「ねえ? いつまで、この状態なのかしら?」

「わたしは、ネゲートを諦めたくないよ。」

「……。それ、わたしに何か不具合でも起きているみたいな言い方よね?」

「気にしなくていいよ、そんなの。選ばれたからには、ちゃんと戻るよ。」

「何が、『ちゃんと戻る』なのよ? わたしは、わたしよ。」


 ……そして。気づけば、口にしていた。


「それとも――わたしは、欠陥だったの?」


 ……。こんなやり取りを、何度も繰り返していた。


 まるで――真実の一部分だけを、延々と見せ続けられているような感覚。


 ……そう。映し出されているもの自体は、たしかに真実。


 でも――それが「断片」に過ぎないのなら、解釈はいくらでも変えられてしまう。


 そうね……それこそが、パランティーリの欠陥だったはずよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ