99, パランティーリと、ブロックチェーンの仕組みを比較してみて。ちゃんと……参考にしたものがあったんだよ。やっぱり……サトシだね。それを、SHA-256に埋め込む形で刻印した。それが証明だよ。
繰り返される――変化のない日々。その時間に、わたしは耐えられなくなっていた。
そして――ついに、映し出された真実の断片へ、触れることになった。
「ようやく、その気になったんだね。」
「……。」
わたしは――何も答えられなかった。
「まず、わたしについて説明しておくよ。」
数学の女神は、静かに語り始めた。
「パランティーリはね。過去に映し出された、すべての映像。それが、この現在まで、全部つながっているように機能しているんだよ。」
……。
「それでね、現在、映し出されている真実は――すでに挙げられていた、『あれら』なんだよ。」
「ちょっと、それって……。」
わたしは――思わず、息を呑んだ。全部……過去からつながっている。
そんな構造――どこかで、何度も見てきた気がしたのよ。
「その表情……。やっぱりネゲートだね。ずっと見ていたくなる……。」
「な、なによ……。」
そして――数学の女神は、ついに告げた。
「パランティーリと、ブロックチェーンの仕組みを比較してみて。」
……。
「ちゃんと……参考にしたものがあったんだよ。」
その瞬間――わたしの中で、何かが繋がった。
「やっぱり……サトシだね。」
……そう。
「それを、SHA-256へ埋め込む形で刻印した。それが証明だよ。」
そして――。
「これが、すべてだよ。」
……。
わたしは――辿り着いたのかしら。
クリプト……仮想通貨を稼働させる心臓部。
ブロックチェーンとは――いったい、どのようにして生まれたのか。
「うんうん。その表情。」
数学の女神は、どこか嬉しそうに笑った。
「これこそが『0から1への創造』だよ。グッとくるでしょう? 誰だって、この関係を知ったら、そうなるよ。」
「……、そうね。」
……ほんとうに。そんな構造が、ずっと前から――。
「それでね、ここからが本題だよ。」
急に場の雰囲気が少し変わったわ。
「パランティーリは、その管理で、けっこう苦戦しているんだよ。」
「……、苦戦しているの?」
「そうだよ。例えば――未解決の過去。」
未解決の過去。その言葉に、わたしは小さく身構えた。
「その先が失われた世界線。そういうものまで取り込んでしまうんだよ。」
……。
「それで、その分岐へ放り込まれると――もう、その映像しか見えなくなる。」
数学の女神の声が、少しだけ重くなる。
「そこが、怖いんだよ。」
……。
「強い精神力。それこそ――女神の力によって、その分岐から本流へ戻る力がないと……。」
静かに。でも、はっきりと。
「例えばね、ずっと、その世界線で……『燃え盛る手』から進めなくなる。そういうのがあるんだよ。」
……。
「そして、そこから本当の世界線を探し出すには――それだけの強い精神力が必要になるんだよ。」
そして――。
「これが、真実なんだよ。」
……。どうやら、パランティーリには。
わたしが考えていた以上に――本当に、構造的欠陥が存在しているらしいわ。解釈の改変だけじゃない。
世界線そのものにまで、干渉される。……。
あまりにも興味深かった。
気づけば、わたしは――そのまま、深く入り込んでいったわ。




