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97, 混乱や無駄が嫌いで、世界を完璧に管理したい ―― これで失敗したんだよ。

 数学の女神――パランティーリが……。青ざめたような表情を浮かべながら、わたしを見つめてきた。


 ミラーアリスやシィーも、不安そうにこちらを見ているわ。


 ……そうね。少し、落ち着きましょう。


「わたしは、信じているよ。ネゲートは、真の平和を望んでいることを、だよ。」

「……。真の平和……?」

「そうだよ。いま、ネゲートが怠惰でないなら――このまま、真の平和は続いていくってことなんだよ。もう、その方向で動き始めているんだよ。ここから先、ネゲートはいったい何をしたいの? そうだよ。何もしなくていいんだよ。ずっと、このまま。その流れに沿って動くだけでいいんだよ。」

「……。」


 ……わたしだって。それを望んでいないわけじゃない。


 でも――でも、なんだか……そうね。


 そんなに単純に、割り切ってしまっていいものなのか。どうしても、その感覚だけが残るのよ。


「混乱や無駄が嫌いで、世界を完璧に管理したい――これで失敗したんだよ。」


 数学の女神は、静かにそう告げたわ。


「ネゲートは、そんな極端な完璧主義者だったの? ネゲートは、誰も逆らわない完璧な管理社会こそが『平和』でいいの? ……。平和を声高く叫ぶ者の大半は、そんな平和を指していたよ。」


 その言葉に――わたしは、息を呑んだ。


「ネゲートも……そっちだったの?」

「えっ……。」


 わたしは……。そんなのでは……。


「……、そうだよね。そうだよね! それを聞いて、安心したよ。」


 数学の女神は、ようやく少しだけ表情を緩めた。……。


 それで――分散化、だったのかしら。


 そう考えると……すべてが繋がる。でも――。


 まだ、どこかに疑問が残っていた。

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