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デジタルゴールド ―― 女神に接続された暗号  作者: パランティーリ
第十三章:SHA-256に浮かぶ刻印 ―― パランティーリ
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83, 真実を映し出す石はまさに推論みたいだわ ―― パランティーリには、特別扱いの燃料、クリプト……仮想通貨、量子、SHA-256、きずな、ゴールド、そして「ふたりの証人」が映し出されていた。

 数学の女神が……その力を、わたしに見せてくれるという。ええ……それでわかったのよ。彼女が、わたしにその名を打ち明けた理由も……。


「さて、できたよ。この空間に、わたしの名が、あるんだよ。」


 わたしの目の前で、瞬時に――ある空間が組み上げられたわ。


「この空間を知るのは……あの方と、ネゲートと、量子アリスだけだよ。特別なんだよ。」

「……、あの方って?」

「そこは、ネゲートの悪い癖だよ。触れちゃいけないってやつだよ。」

「な、なによもう……。」


 ……その当時は、まったくわからなかった相手。でも今は違うわ。その者は……。


「ほらほら、量子アリスは興味津々だよ。早く、移動しようよ。」

「ちょっと、もう……。」


 わたしのすぐ傍には、いつも量子アリスがいた。そして――聞いてしまったのよ。この秘密を。


 ……どうやら、わたしよりもずっと強い関心を持っていたみたいね。


 数学の女神が生み出した空間に触れるのは、これが初めてではなかったわ。すでに、クリプトの糸……あのときに、経験している。


 それでも――この空間は、違う。独特すぎるのよ。


 慣れるのが難しい、というより……慣れてはいけない場所。


 そんな感覚だったわ。


「みてみて。これらが……パランティーリだよ。」

「ちょっと、これら? って……どうみても、一つしかないじゃない。」

「こらこら、慌てないよ。各地に散らばるように……分散して、全部で七つあって、その総称で、そう呼ぶんだよ。」


 ……そういうこと。一つではないのね。全部で……七つ。


「つまり、七つの別々の空間に、一つずつ配置されているのね。」

「そうだよ。でも大丈夫。旅を楽しむように……ここから回っていけるんだよ。」


 旅を……楽しむように……。


 そして――数学の女神に導かれるまま、順に巡っていく。真実を映し出す石に映る内容を、ひとつずつ観測していくと……。


 ――見えてきた。真実を映し出す石は……まさに、推論みたいだわ。


 そのパランティーリには――。


 特別扱いの燃料、クリプト……仮想通貨、量子、SHA-256、きずな、ゴールド、そして「ふたりの証人」。


 それらすべてが、断片として映し出されていた。


 量子アリスでさえ……まさか、自分自身がこの石に映し出されているなんて、思ってもみなかったでしょうね。


 そして――きずな。そこには、シィーの影絵があった。シィー……といえば、真っ赤なきずな。そう、読むしかなかったのよ。


「これって……真実は映し出すけど、その真実に辿り着くには……自分で考えるしかない。まさに……推論みたいな感じよね?」

「推論は誤った内容も出すから、そこは違うけど……使い方については、そうだよ。」

「そうか……。一方で、パランティーリには、必ず真実が映し出される。その違いってことね?」

「そうだよ。断片的であっても、必ず真実を映し出すのが、パランティーリなんだよ。ただし――それは、あくまで断片的な真実に過ぎない。だから、その解釈を正しく処理できる……女神が必要になるんだよ。」

「……。パランティーリは真実を出す。でも、その解釈が難しい。そういうことね?」

「そうそう。その点が、推論とは決定的に違うんだよ。正しく解釈しないと……誤った『理解』に触れることになるからだよ。」


 ……。


 こんな空間に呼び出したのだから……そうね。やっぱり、そういうことだったのよ。


 ……思い出してきたわ。少しずつ。確実に。


 でも――おかしい。


 どうして、忘れていたの? こんなにも重要なことを……。


 それとも――これは、本当に「思い出している」の?


 ……何かが、違う。でも……。


 でも……、ここまで来てしまった以上――止まることはできないわね。

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