82, どうやら、燃料経路で動きがあったよ。
わたしは……、数学の女神の名に触れた。そう……、少しずつ思い出してきたわ。
そして――その直後よ。意外な動きが、現れたのは。
「ほらみて。どうやら、燃料経路で動きがあったよ。」
「……。クリプトを支払うことで、いちおうは本当に、その経路を通れるのかしら?」
「ううん、違うよ。悔しいけど、クリプトの支払いはなかったよ。つまり、特別扱いが出たよ。まあ、そんなの……わたしは、すでに見ていたんだよ。」
……特別扱い。ええ、そろそろ出てもおかしくない頃合いだったわね。
それに――数学の女神が残したあの言葉。「すでに見ていた」とは……。
まさに、その通りだった。その名――パランティーリが示す意味、そのままだったわ。
クリプトの支払いがなかったことを、彼女が悔しがっていた点だけは……少し引っかかった。……ううん。今はまだ、そこまでは辿り着けない。でも……いずれ、その意味も見えてくるはずよ。
その空間……大過去かしら。時間は、もはや「流れるもの」ではない。「そこに在るもの」として、配置されている。
……いいえ。「存在する」では不正確ね。正しくは――「扱うもの」。そこに映っていたものが……この瞬間、現実として現れただけ。ただ、それだけのこと。
数学の女神にとっては、どれほど些細な出来事であっても……常に同じなのよ。観測し、そして解釈する。とにかく――どんな場面でも、動揺することなく、真実を読み解いていくわ。
「……、たしかに、特別扱いというのは気になるわね?」
「そうだね。でも、大過去を攪拌させるほどの影響はないから、大丈夫だよ。」
「……。そんなことまで、わかるの?」
「そうだよ。ただし、扱い方が大事なんだよ。それが、この名にこめられた想い、だよ。」
真実を映し出すこと――それ自体には、意味はない。重要なのは……解釈。
解釈を誤れば、結果は簡単に反転する。そのための存在が……女神なのよね。
「さてさて。女神が忙しくなるタイミングに突入だよ。このときのための、女神だよ。」
「……、そうね。特別扱いの割には……逆に市場は、少し動揺しているのかしら。」
「そうだね。このような不確実性は好まれないからね。何かが起きる前触れ……そんな解釈になるんだよ。」
……淡々としている。これが――その名の力。パランティーリなのね。
観測されたものを、そのまま現実へと接続する……解釈の――女神。




