79, 女神の役割 ―― わたしはね、「すべての真実を映し出す石」にちなんだ名を授かったんだよ。
わたしにできること。気づいたときには……女神という役割を任されていた。
……。数学の女神も、似たような経緯なのかしら?
ふと……そんな疑問が浮かんだのよ。
「ちょっと……一つ、よろしいかしら?」
「へぇ、珍しいね。ネゲートから質問なんて……大歓迎だよ。」
……言われてみれば、そうかもしれない。その瞬間――わたしの中で、何かが動いた気がしたの。だから……女神になった経緯、その核心を……ぶつけてみたわ。
「……。」
数学の女神も……悩むことがあるのね。その珍しい姿に、ほんの少しだけど……安心している自分がいたわ。だって……何もかも見透かしている。そんな存在だと思っていたから。
「……全部は話せないけど、概要だけならいいよ。どうする?」
「……わかったわ。」
妙な条件を提示されたけれど……。それでも、概要に触れられるなら、それで十分だった。
「それじゃあ……どこから話そうか。そうだね……まず。」
「……。」
「わたしは、数学の女神と呼ばれているよ。でも……ネゲートと同じように、名を授かっているんだよ。」
「……、気になるわね。でも……それは、伏せるのよね。そうでなければ、すでに名乗っているはずだから。」
「うん、そうだね。そのあたりの勘は冴えているね。でも……ネゲートにだけは伝えるべきだと感じたよ。それで……悩んでいたんだよ。」
「……。」
数学の女神に与えられた「名」。本来なら……そこに踏み込むべきではない。
でも……どうしても、気になってしまう。その名には――女神としての役割が刻まれているのだから。
「ただし……神託のように伝えるよ。それでいいよね?」
「……、問題ないわ。」
「わたしはね……『すべての現実を映し出す石』にちなんだ名を授かったんだよ。」
「……、それって……。」
……。それは、ほとんど答えを言っているのと同じだったわ。
「……わかったようだね。」
「えっと……念のためだけど、その『映し出された現実』は、女神が扱うとされる『大過去』という空間から、縮約などによって導かれたもの……。そういう解釈で良いかしら?」
「うん、さすがだね。そのあたり、やっぱりネゲートだよ。つまり……そうして映し出された現実は――真実なんだよ。」
「……。」
「それで……『すべての真実を映し出す石』にちなんだ名を授かったことになるんだよ。」
……。もう……そのままじゃない。でも……大事なのは、この先だった。
今なら――はっきりとわかる。
そう……フィーを含めた、あらゆる役割。すべてが――計画の中にあったのよ。




