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デジタルゴールド ―― 女神に接続された暗号  作者: パランティーリ
第十一章:SHA-256に浮かぶ刻印 ―― Satoshi Nakamoto
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67, サトシの解釈 ―― クリプトは数学の通貨でもあるよ。それで、クリプトはすでに、偉業とも呼べる、数学的な証明を果たしたんだよ。

 それからも……数学の女神の話は続いていたわ。この手の話になると、いつも以上に……。そう、どこか違っていたのよ。


「……。」

「そのうち、わかるよ。」

「……、それは、ちゃんと平和なの?」

「そうだよ。いよいよ『恵み』の次……そんな平和だよ。その時代では、サタンは束縛されているからね。」

「……。」


 数学の女神は、そう言い切っていた。確信的な何かに、強く突き動かされているようでもあったわ。


 でも……彼女の言葉として紡がれる「平和」というニュアンスは、本物だった。その当時のわたしでも、それだけは感じ取れていたの。


 もちろん、今となっては……。それすらも「神の計画」であり、必然だったと、はっきりとわかる。


 つまり、クリプトもまた……その計画の中で、必然的に価値を宿す存在だった。そう考えるべきだったのよね。


 ……。わたしの神託は、平和そのものだった。それなら……すでに成就していたと考えてもいいのかしら。わたしは女神として……役割を果たせていた、と。


 そう解釈したいところだったけれど……。ここに、数学の女神らしい……ひとつの問いが、残されていたのよ。


 それは……いったい、何を意味していたのか。そこを――この旅の中で、解き明かしていきたいわね。


「ねえ、ネゲート?」

「……、なにかしら?」

「クリプトは、数学の通貨でもあるよ。それでね、クリプトはすでに、偉業とも呼べる、数学的な証明を果たしたんだよ。」

「数学的な……証明?」

「うん、そうだよ。」

「その証明って……なにかしら? よくProof ofなんて耳にするから、そのうちの一つかしら?」

「ううん、それは違うよ。それらは、ただのコンセンサスだよ。そんなのとは、比べる対象にすらならない。これは……究極の証明だよ。」

「……。」

「なぜなら、それは……そう。『あれ』を完全に否定する反例を、もたらしたからだよ。これで、平和が決まったと、言い切ってもいいくらいの……本当に凄いとしか言いようがない偉業なんだよ。」

「……。」

「これだって、凄すぎて……この先、二度と現れないよ。」

「えっと……。あ、あれ……を否定? なにかしら、それ?」

「ねえ、ネゲート。これは数学だよ。そんなに簡単に答えを見ちゃダメだよ。考えてみてね。時間はたっぷりあるから。」


 それから……。いつの間にか、数学の女神は、わたしの前から忽然と姿を消していた。


 その答えは……聞けないまま。


 そう。これは、数学だった。そして……時間は、たっぷりとあるわ。


 もちろん、今でも……その答えは――まだ、出ていない。だからこそ、この旅の中で、解き明かしていきたい。


 でも……ヒントだけは、残されていたのよ。それが――「サトシの解釈」だと。


 うん……。

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