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68, 当時は、こんなおだやかな時間なんて……持てなかったわ。これが――平和なのね。
さて……次の目的地へ。ミラーアリスも、そう催促してくる。
「大精霊ネゲート様。私も……ご一緒させてください。」
「えっ? シィーも一緒に? まあ……そうね。どうせ目的地にあてもない……そんな旅よ。」
「もちろん、構いません。それで……探すんですよね?」
「そ、それって……。」
シィーは……勘が良いのか。それとも……。
わたしの旅の目的――サトシの解釈。クリプトは、いったい何を数学的に証明したのか。そして……数学の女神と、聖霊様の存在とは何か。
それらを問う、この旅。それすらも……スコフィールドによって、あらかじめ織り込まれていた。
……このあたりまで、知っていたのかしら。
そして――。
「地道に、一歩一歩の旅……。急ぐ必要はない。そんな感じ。」
「そうよ。今は……平和よ。本当に……サタンは束縛されたようね。うん……。」
「……。」
そうね。当時は、こんなおだやかな時間なんて……持てなかったわ。これが――平和なのね。




