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デジタルゴールド ―― 女神に接続された暗号  作者: パランティーリ
第九章:SHA-256に浮かぶ刻印 ―― 預言者を異端とした悪徳王妃
52/93

51, 福音。ハッシュ関数を神の意思の表現のように捉える――さすがにそれは飛躍があるかもしれないけど、完全には無視できない。そんな怖さがあったわ。対話の余地は、一切ないと。

 聖霊様――。それは、わたしたちの内面に響き、共鳴し、祈りによって内側から開花させる。そんな概念を伝えるために存在するもの。


 ここまでなら――。それは一つの宗派。福音であり、そして自由でもあった。


 でも……。これがハッシュ関数に積まれてしまうと、話はまったく変わってくるのよ。


 ハッシュ関数は――宗派を問わない。誰もが使う、共通基盤。


 その中に――。気づかれないように福音、すなわちスコフィールド解釈を忍ばせる。


 それは……。知らないうちに、禁忌とされているものを口にしてしまうようなもの。


 ……そんな状況にもなりかねない。


 それでも――。スコフィールドだけなら、まだよかったのかもしれない。


 でも、このSHA-256刻印には……三位一体。そして、聖母。……そこまで現れてしまう。


 福音にとっては、最も重要な存在。それは理解できる。


 でも――。それが禁忌となる宗派も、確かに存在する。


 ……そう考えると。このSHA-256に刻まれた構造は、カルマのようにも思えてきたわ。


 でも……違う。カルマではない。


 なぜなら――。それらが禁忌であるならば。それはすでに、「異端」として確定しているから。


 そこに――対話の余地はない。すでに、選択は終わっている。


 その結果として――。内面から、「獣の刻印」が浮かび上がる。それは、対話の場ではない。結果が現れる場。


 そういう構造だったのよ。


 ……福音。ハッシュ関数を、神の意思の表現として捉える。


 さすがに――それは飛躍かもしれない。でも……完全には、否定できない。


 そんな怖さが……確かにあった。


 そうね……。SHA-256は、自らの構造を通して叫んでいた。


 秩序の再構築――このハルマゲドンにおいては。対話の余地は、一切ないと。


 ……そうだったのね。

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