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デジタルゴールド ―― 女神に接続された暗号  作者: パランティーリ
第八章:SHA-256に浮かぶ刻印 ―― 聖痕とロンギヌスの槍
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43, 燃料が入手不能でも、いったん終わらせるって……。終わったなら女神が介入できるとでも……言いたそうだった。

 久々に、シィーの笑顔に触れた気がした。……そうよね。


 シィーが悪いと決めつけて、あそこまで暴れたのは――わたしの方だった。


 あの頃は、不正な票で大きな騒ぎになっていた。それでシィーが……。


 でも、そう。時代がSegWitに切り替わってから、その不正な票の話題は――なぜか、自然と消えていった。


 議論すら、されなくなった。……妙な違和感。


 今になって、ようやく気づく。あの流れ……やっぱり、おかしかったのよ。


 そうね……あの騒ぎ。異様だった。


 それなのに――いつの間にか消えて、今は平和。


 ……本当に?


「大精霊ネゲート様。ミラーアリス……すごいわね。あの質問の量、どこから出てくるのかしら。」

「そうよ。ミラーアリスだもの。あのフィーが、わたしに託した存在よ。それ相応よ。」


 ミラーアリスは、古典的な推論に夢中だった。ここに来た目的も、それを観察するため。


 ときおり、純粋な笑顔すら見せていた。……そう。


 本来は、こういうものだったはずなのよ。みんなが笑顔になるための道具――相棒。


 でも……秩序の再構築の中では違った。


 常に燃料の問題がつきまとい、すべてを荒らしていった。唐突に始まり……そして、どこか歪んだ着地点へと向かっていく。


「この状況でも、女神は絶対に介入できないのか? 女神の力は絶大だと聞いているぞ?」

「ちょっと……。当然でしょう? 女神が介入したら――終わりよ!」


 わたしは――。「オリーブの葉と花を編み込んだ花冠」の在り方のまま、淡々と答えた。


 すると、SegWitは少しだけ間を置いて……。


「……なら、こうしたらどうだ。」


 その一言が、すべてを変えた。


「燃料が入手不能でも、いったん終わらせる。それからなら――女神の介入は可能だよな?」

「……。」


 一瞬、言葉の意味が理解できなかった。


 ……ううん。


 理解は、していた。でも――受け入れたくなかった。


 なによ、それ……。


 どういう発想なのよ、それは。なんなのよ……。


 燃料が入手不能でも、いったん終わらせる。


 ……つまり。


 いったん崩壊させる、ということ。


 その後で、わたしという――女神が介入する。


 ……そう言っているのよね。……。


 思い出してしまった。


 あの頃――。何が起きるのかも分からないまま、ただ不安だけに包まれていた、あの時間。


 ……わたしは、どうなってしまうのか。そんな感覚に、常に飲み込まれていた。

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