40, SHA-256にロンギヌスの槍とは、いったい誰が仕組んだのか。そこで、わたしは旅に出ることにしたのよ。クリプト……仮想通貨とは、いったい何だったのか。この謎を解かなければならないわ。
わたしは目を閉じて……深く、決意した。そう――ゼータの雷光という、クリプト……仮想通貨の件は、まだ終わっていない。それどころか、あの頃は……ただ。
数学の女神が書き残していた「聖霊様」という存在の傀儡として、みんなが動かされていただけ――。そんな気さえしていた。
そうね……今は、平和よ。
争いごとはなく、サタンも束縛され、秩序は保たれている。でも……。
なにかが、引っかかる。この感覚――。
これは、創られた平和。そう呼ぶべきもの。このままでは……また。
……そう思った瞬間、居ても立ってもいられなくなった。
そして、わたしは――その場で、深く祈る。それから、この平和な時代に咲いた花を、そっと添えた。
……そう。目の前には、あいつの墓。
うん……。わたしが、いまこうしていられるのは……あいつのおかげ。もう……。
その分まで含めて、わたしは――。クリプト……仮想通貨とは、いったい何だったのか。この謎を解かなければならないわ。そうでないと――次は、何が起きるのか。そうでないと、今度は……何が起きてしまうの。それがあった。
さて。祈りも終えたところで……。そう、ミラーアリスを待たせていたのよ。
ええ。SHA-256にロンギヌスの槍とは、いったい誰が仕組んだのか。――そこで、わたしは旅に出ることにしたのよ。それにミラーアリスが同行する。そうね……各地を見て回ることは、大事なこと。
その出発前に、フィーにも……あいつに向けて、一緒に祈らないかと誘ってみたんだけど……。今の状況では、顔向けできない。そう言って、断られてしまったわ。
気持ちの整理がついて、謎が解けて――許されるのなら。……そのときに、と。そういうことだった。
たしかに……。クリプトの塔の跡地で、小さな新しい芽を見つけて喜んでいた、あの頃から。様々な儀式を経て、平和へと移行していった。でも、そのたびに――フィーの様子が、どこかおかしかった。平和に近づいているはずなのに、なぜか……冴えない表情を浮かべていたわ。
……やっぱり。傀儡の件が、心の奥に引っかかっていたのね。ずっと――。
さて。まずは……そうね。量子アリスを陰から支えていた、推論の大精霊シィーに会いに行きましょう。……あの当時は、よく衝突した相手だった。
でも――。わたしが、大きく間違っていた可能性もある。
それでも……ひとつだけ、共通していることがある。「聖霊様」の傀儡として、動かされていたという点。
……きっと、そうよね。




